アダム・スコウマル(ピアノ)

レオシュ・スヴァーロフスキー指揮 プラハ交響楽団

バッハ/ブゾーニ編:ピアノ協奏曲BWV1052

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番

UP0055 国内盤 200881日 発売予定 2,940

【収録曲目】

セルゲイ・ラフマニノフ(18731946

1. ピアノ協奏曲 第3番 ト短調 作品

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(16851750)/

フェルッチオ・ブゾーニ(18601924)校訂編曲

2. ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052

バッハ/ラフマニノフ編

3. 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 3BWV1006より ピアノ独奏編曲

(プレリュード、ガヴォット、ジグ)

 

ひたすら貴重な編曲版、圧倒的なる名曲――偉大なる時代の作曲家=ピアニストふたり、

 そのまったく異なるピアニズムを、圧巻のヴィルトゥオーゾぶりでみごとに描き分ける!

 中欧の古きよき伝統をひくプラハ管の響きも、晩期ロマン派の世紀末ムードにぴったり!!

 

チェコのレーベルArco Divaは、この音楽大国のシーン最前線をゆくマネージメント会社が母体だけに次から次へとホンモノの腕達者ばかりを繰り出してくるわけですが。2000年頃まで世界でコンクール破りを続けていたスコウマルなるこの俊英も、指が回るのはもう当たり前として、若いだてらにビシッと筋金入りの音楽センスのある人で――いきなりヴィルトゥオーゾ編曲版バッハに臨み、これを派手なピアニズム披露の道具にしてしまわず、編曲構造をきれいに打ち出す余裕さえみせながら、すっかりスマートに弾きこなしてしまっているんですよ!万人受けする曲目ながら、玄人リスナーほど引き込まれるはず。

というわけで、「@王道中の王道(ラフマニノフの3番)」+「A意外な編曲版(バッハ協奏曲のブゾーニ版)」+「Bバッハの超有名曲…の、これも意外な編曲版」と、わかりやすいサウンドのなかに通好みの要素をさりげなく満載したプログラム構成。ラフマニノフ3番でのべらぼうな指周りは同曲を録音しようという時点で当然、緩急自在のペダル使いはもう本当に美しく、時折ユニークなフレーズ感で驚かせてみたり…プラハ響もさすがのもので、前古典派からグラゴル・ミサまで名盤あまたの職人指揮者の堂々たる棒さばきのもと、古雅な管(ソロが全員ウマい!)といい渋い美音の弦といい、晩期ロマン派の響きにぴったり!しかし本盤のトリは、ブゾーニ版バッハ協奏曲――弦パートは殆どいじっていないようですが(ピツィカートとかアゴーギグ関係くらいか)、ピアノ・パートは原典を尊重しているようでいて、あらゆるところでピアノならではの語法が光る加筆の連続(ゆえに「校訂」というより「編曲」ですね)!オクターヴ移動、和声や声部の追加…ピアノ通ならぜひ原典の楽譜を見ながら驚いていきたいもの。末尾に収録された「無伴奏」編曲はラフマニノフの作品――圧倒的な楽器スペックの差をフル活用して絶美のロマン派ピアノ曲へと変容、それでいて加筆声部がちっとも唐突でないのがラフマニノフの慧眼なら、その意図をつぶさず我々に伝えてみせる、裏の裏まで読み込んだスコウマルの解釈も「技あり」な訳です!