CD:TRM133 TRANSART 国内盤 2,940円 J.S.バッハ:ギターによるリュート組曲集
ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ (1685〜1750)
1. 組曲 BWV1006a (≒無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番)
2. 組曲 BWV995 (≒無伴奏チェロ組曲 第5番)
3. 組曲 BWV996
(編曲・監修:R.キエーザ)
フィロメーナ・モレッティ(ギター)
使用楽器:アンドレア・タッキ製作,COCLEA2000
ここまで完璧に、ここまで深遠に...
磨きぬかれたテクニックと音楽性による
稀代のギターによるバッハ、有無をいわせぬ超名演!
すでにTRANSARTから1枚のリサイタルCDをリリース(下記)しているサルデーニャ生まれのイタリア人ギタリスト、フィロメーナ・モレッティ。きわめてインテンスで精確なテクニックを誇り、はげしい情熱を内面にたぎらせながらも音楽の進行はあくまで確固たる構成感覚につらぬかれている――前のアルバム(下記TR107)でその音楽性を強く印象づけられていたところ、今度はギタリストたちにとっての金字塔ともいえるバッハの組曲を集めた新譜が登場した。これが実に見事な仕上がり!
冒頭はBWV1006aの組曲。じっくり溜めて弾き出される第1音の素晴らしさに驚くまもなく、まったく淀みなく快速につむぎ出されてゆく16分音符の連続の美しいこと...! また静謐さなかに痛々しいまでの人間味がにじむ短調の組曲BWV995(無伴奏チェロ組曲第5番と同じ内容の曲)、流麗さと悲哀がないまぜに美しい色合いを添えるBWV996の組曲...と、クラシック・ギターをこれほどまで縦横無尽に、楽器の制約も感じさせず操れる素晴らしさには正直驚かざるを得ない。
昔からクラシック・ギター奏者のレヴェルが高い日本、かつ昨今では海外の奏者たちも軒並みレヴェルが高くなっているところ、モレッティは確実にその第一線に乗れるアーティストだ...と、担当ならずともこのアルバムを一聴されればご理解いただけるかと思う。
これほどの完成度を誇る演奏が実はライヴであると知れば、さらに驚かれるだろうか? あくまでライヴ録音にこだわるTRANSARTレーベルゆえにあたりまえと言えばそうなのだが――録音担当はSMC IVREAのマリオ・ベルトード。楽器の音の特性を的確に伝えるエンジニアリングにもご注目。
何はともあれ、バッハ・ファンなら是非チェックいただきたい。ギター・ファンには“マスト”である、と自信を持ってお薦めできる1作だ。 |