
CD:MRIC239 Ricercar 国内盤 2,940円 「ブクステフーデの前にいた男」
トゥンダー オルガンのための作品集
フランツ・トゥンダー(1614〜67)
1. コラール変奏曲 「キリストは死の縄に繋がれ」
2. プレルディウム ト短調(ベックマン写本4)
3. コラール変奏曲「われ汝に望みをかけ」
4. プレルディウム ト短調(ベックマン写本2)
5. カンツォーナ ト長調
6. コラール変奏曲「イエス・キリスト、我らが天の国」
7. プレルディウム ト短調(ベックマン写本3)
8. コラール変奏曲「来たれ聖霊、主なる神」
9. コラール変奏曲「イエス・キリストは神の子なり」
10. プレルディウム ヘ長調
11. コラール変奏曲「わが愛する神に」
12. コラール変奏曲「主なる神、我ら汝を讃えん」
ベルナール・フォクルール(オルガン)
使用楽器:ノルデン(北西ドイツ)、ルートゲーリ教会のシュニットガー・オルガン[1-6]/ロシルズ、聖堂教会のラファエリス・オルガン[7-12]
かっちりとした形式の枠のなか、無辺に広がる幻想。
ブクステフーデの先任者として聖母マリア教会で
活躍した巨匠の奥深さが、いや増しに際立つ解釈!
ブクステフーデのオルガンを聴きにヨーロッパ中から人々が押し寄せたというリューベックの聖母マリア教会で、このデンマーク生まれの巨匠の前任者としてオルガニストをしていたのがフランツ・トゥンダー――「北」と「南」の鍵盤音楽の伝統を結びつけた、音楽史的にも重要なオルガン作曲家のひとりだ。
その音楽世界を、北海沿岸に位置する二つの教会の歴史的オルガンで、ベルギーきっての名奏者が鮮烈に再現したアルバム! コントラスト鮮やかにして歯切れ良く力強いタッチが、オルガンという楽器の表現力を再認識させてくれる。
トゥンダーは1614年、バルト海に浮かぶフェーマルン島の生まれ。スヴェーリンクにまで遡る北ドイツ流儀の伝統を身につけたと同時に、コペンハーゲンの宮廷ではガブリエーリの弟子ボルフグレーヴィンクについてイタリア音楽の作法を学んだうえ、一説によれば1630年前後に自らイタリアに渡ってフレスコバルディに直接師事した可能性もあるとか。
収録作品では1〜3分程度のカンツォーナやプレルディウムにそうしたイタリア譲りの明快さが、大規模なコラールには偉大な北方の伝統を受け継いだ重厚さがにじみ出ている――つまりブクステフーデ、クーナウそしてバッハへと至るドイツならではの「折衷様式」の芽生えを、このアルバムでは素晴らしい演奏とともに味わえるというわけだ。
「バッハの源泉」としても意義深い1枚、「本格的なオルガンもの」を棚に1枚入れておきたければ、ぜひこのアルバムがおすすめだ。 |