ピエール=アンドレ・タヤール(クラシカル・クラリネット)

エドアルド・トルビアネッリ(フォルテピアノ)

ロマン派のクラリネット音楽を、19世紀当時の楽器で

メンデルスゾーン、N.ブルクミューラー、ダンツィ、ライシガー

PC10204 国内盤 2008716日 発売予定 2,940

【収録曲目】

フランツ・ダンツィ(17631826

1. クラリネットとピアノのためのソナタ 変ロ長調

フェリクス・メンデルスゾーン(180947

2. クラリネットとピアノのためのソナタ 変ホ長調

ノルベルト・ブルクミューラー(181036

3. クラリネットとピアノのための二重奏曲

カール・ゴットリープ・ライシガー(17981859

4. 華麗なる二重奏曲

 

ありそうでなかった、ソロ室内楽による「ピリオド楽器クラリネットの徹底解剖」――

 『エスクァイア』さまピアノ特集でも名を売ったフォルテピアノ奏者と、稀代のピリオド管奏者、

 楽器はこだわりまくり、解説も充実しまくり、しかもアンサンブルは、阿吽の呼吸がぴったり!

 

ピアノの伴奏ひとつだけ・管楽器のための19世紀室内楽作品集…往々にして凡庸な印象をあたえかねなそうなものが、楽器にこだわりまくってみると、アルバムの趣きはがらりと変わるものですね!ジャケットからして「おいしそうな匂い」漂いまくりのPan Classicsからの、痛快リリース。試聴――いや店頭演奏で「なに、この美しさ?」的購買意欲をあおりたい、スグレモノの響き!

使われた時代の都合上「バロック〜」とは言えず苦し紛れに「クラシカル・クラリネット」などと呼ばれがちなピリオド楽器のクラリネット。ここではクラリネットやファゴットの改良に寄与した偉大な製作家グレンザーの、1800年頃製作モデル(再現楽器)を使用。曲目はすべからく19世紀初頭、ウェーバーの傑作ソナタよりも後、およそ1820年前後くらいの“初期ロマン派”のソナタ群が居並びます。急速楽節での粒立ちのよい美音(信じられないくらいウマい!古い楽器とは思えない!)も素敵なのですが、ゆったりした部分でのロマン派じみた歌心に映える、古風なクラリネットのほどよく鄙びた音色がこれまた絶品で――ライシガーの隠れ名曲や、夭逝の天才N.ブルクミューラー(「25の練習曲」の作者の弟、26歳で早世)のドラマティックな逸品あたり、ちょっと聴き逃せない風情が! ピアニストは、19世紀中盤あたりまでの「当時の楽器」をみごと弾きこなす天才フォルテピアノ奏者、Pan Classicsではクレメンティ(PC10171・『エスクァイア』誌さまピアノ特集にも登場)にゲーゼ(PC10191)と名盤続出中のトルビアネッリ! こちらは晩年のベートーヴェンが愛奏したことで知られるグラーフのピアノ、1824年頃製作のオリジナルを、実・に・見・事・に・弾きこなしております。名手タヤールの絶妙テクとのからみは最高、かっちり形式感とロマン情緒の相半ばする初期メンデルスゾーンやダンツィのソナタなど、まさに絶品!モダン楽器演奏では面白さに気づきにくい曲目群に、ベートーヴェンやシューマンのそれにも比すべき独特の魅力と深さがあることを、如実に印象づけてやみません。試聴が活きそうな「技あり盤」でございます。