トーマス・リープル(ヴィオラ)

ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第1番・第2番

トリオop.114(ヴィオラ版)・二つの歌曲

PC10202 国内盤 2,940

【収録曲目】

ヨハンネス・ブラームス(18331897

1.     ヴィオラ、チェロとピアノのための

        三重奏曲 イ短調 作品114

2.     二つの歌曲 作品90

3.     ヴィオラとピアノのためのソナタ

        1番 ヘ短調 作品120-1

4.     ヴィオラとピアノのためのソナタ

        第2番 変ホ長調 作品120-2 

 

トーマス・リープル(ヴィオラ)ジルケ・アーフェンハウス(ピアノ)

 

ミシェル・ブレート(メゾソプラノ)グスタフ・リヴィニウス(チェロ)すばらしい集中力で突き進み、底知れないアダージョで聴く者をとりこにする――

いかんなきウィーンの名手、完膚なきまでの極上ブラームス解釈! 共演陣も実力派揃い、

 殆ど録音のないクラリネット三重奏曲のヴィオラ版も含め、「本場の響き」は極上そのもの!

 

 今や、室内楽の極上アイテムは国内・海外とも小規模レーベルの特産品だなあ、とつくづく実感する昨今。さりげなく歴戦の実力者ばかり連れてくるスイスのPan Classics、今度はドイツの気鋭若手陣営に加え、堂々ソリストにザルツブルクの名教師=ウィーン弦楽六重奏団の鉄壁ミッドフィルダー、トーマス・リープル(va)を迎えてブラームスの傑作ヴィオラ作品集をリリースしてくれました!

 

同レーベルではウィーン弦楽六重奏団の一連の名盤のほか、イザベル・ファウストと組みパガニーニの同時代人ロッラのデュオ集を録音(PC10172)、絶妙の室内楽を聴かせてくれたものですが、やはりブラームスの名曲となると、さらに丹精こめて万全の体制で録音に臨んだもよう。歌曲伴奏でも良い仕事をするアーフェンハウスのピアノをよく引き立てながら、ひたすら身のある音の珠を艶やか&深々と繋げてゆく、ヘンに構えない室内楽的親密さに貫かれながら、どこをとっても全くスキのない解釈。ヴィオラ・ソナタ2曲は気合十分の対決的解釈より、こういう親密極上系の解釈が合うなあと、聴きながら感じ入らずにはおれません。

 

ちなみに本盤、ヴィオラ・ソナタ2曲以外の収録曲がそれぞれに素晴らしく。ブラームスの室内楽がいかに歌曲的要素に満ちているかを示すかのごとく、合間に収録された歌曲2編の歌い手はウィーン弦楽六重奏団の『ヴェーゼンドンク歌曲集』で独唱をつとめ、昨年のウィーン国立歌劇場来日にも随行した名歌手ミシェル・ブレート。

 

さらに注目すべきは、クラリネット・ソナタ同様ブラームス自身がヴィオラ版を提案していながらクラリネットでばかり録音される三重奏曲op.114のヴィオラ版――仕事人リヴィニウスのチェロも美しく、しっとりまとまる充実感あふれる室内楽解釈は、玄人筋にも安心してお勧めできるクオリティ! 暖かい室内でじっくり傾聴するのにぴったりの素晴らしい室内楽体験が詰まった一枚です。