クルト・マイアー (オーボエ)
ハワード・グリフィス指揮 ノーザン・シンフォニア
マンハイム楽派の絶品オーボエ協奏曲集
PC10088 国内盤 2,940円
ルートヴィヒ・アウグスト・ルブラン(1752〜90)
1.オーボエ協奏曲 第7番 ヘ長調
イグナーツ・ホルツバウアー(1711〜83)
2.オーボエ協奏曲 ニ短調
ペーター・フォン・ヴィンター(1754〜1825)
3.オーボエ協奏曲 第2番 ヘ長調
エルンスト・アイヒナー(1740〜77)
4.オーボエ協奏曲 ハ長調
バロックものより歌心たっぷり。オーボエの美音と、練り上げられた作曲スタイル!
モーツァルトもハイドンも一目置いた「ウワサの先輩たち」マンハイムの天才ども――さわやかな叙情を、聴きごたえある曲運びを、スタイリッシュな現代楽器演奏で、じっくりと。
オーボエ協奏曲集といえばバロックものが定番というか、マルチェッロやヴィヴァルディ、アルビノーニなどヴェネツィア派の名作群にチマローザのチェンバロ・ソナタ編曲協奏曲をちらり、といったCDは枚挙に暇もないわけですが、本盤は徹頭徹尾マンハイム楽派――そう、モーツァルトやハイドンが絶賛して必死に模倣していた、初期古典派の偉大な作曲家たちに端を喫する一派です――それも初期の名匠ホルツバウアーから19世紀まで生きたフォン・ヴィンターまで、さまざまな世代の音楽家が選ばれて、そのどれもがモーツァルトばりの饒舌な名作!
意外となかなかない筋の通った企画ながら、バロック晩期から古典派最盛期という、聴き手を選ばぬ聴きやすさ――単純に「モーツァルトのオーボエ協奏曲みたいなのをもっと」という向きにも、玄人筋の古典派好きにもおすすめ(プログラム半ばに置かれたホルツバウアーの短調作品が絶妙のアクセントに!)マンハイム楽派の管弦楽曲にはよく「フルート2、ホルン2、オーボエはなし」という編成が出てきますが、ここにもそうした曲がちらほら、オーケストラにオーボエがいないことで、オーボエ独奏の美しさが引き立つ仕組みなのも憎いところ。これも18世紀中盤に世界一にして最先端のオーケストラと謳われたマンハイムの音楽家たちならではの周到さでしょう。
独奏者マイアーは「管の国」スイス出身、大先達ハインツ・ホリガーに学んだ実力派。軽く硬めに引き締まった音の美しさもヴィブラート具合もいかにもホリガー風ですが、フレーズの進行ひとつひとつを大切にしたスタイリッシュな感性には忘れ難い味わいが。イギリスの手堅い精鋭集団ノーザン・シンフォニアの温もり具合も絶妙です。現代楽器の古典派ものとしても群を抜いた、クールな優良盤でございます。