アンサンブル・ヴォクス・ルミニス(古楽器使用)

ドメーニコ・スカルラッティ 教会音楽作品集

 

MRIC258 国内盤 2,940

 

【収録曲目】

1. テ・デウム〜二重合唱と通奏低音のための

2. サルヴェ・レジーナ〜ソプラノ、アルトと通奏低音のための

3. ソナタ ニ短調 K.417(オルガン独奏)

4. スターバト・マーテル〜10声部の合唱と通奏低音のための

5. ソナタ ト短調 K.87(オルガン独奏)

6. ミゼレーレ 〜4声部の合唱のための

 

チェンバロしか触らない人だったわけでも、父の言いなりにオペラ書いたわけでもありません。

ドメーニコ・スカルラッティ、あの膨大なソナタ群は「氷山の一角」にすぎなかった!いろいろ知った上であえて挑んだ古雅な作風を、極小編成ソリスト集団がみごとに料理!

 

アンタイやらバイアーノやらヴァン・ベルダーやら…と昨今もスカルラッティのソナタ新譜はアツいわけですが、歿後250周年の今年はどういうわけか、声楽作品もブームのようで。しかしさすがは老舗古楽レーベルRicercar、演奏陣が若手グループだというのに、ちょっとこれは出色のヴィヴィッドさですよ!

 

ナミュール室内合唱団の本拠地ナミュールで結成されたこのアンサンブル、ほんの10人程度の極小編成ながら誰がソロになってもおかしくない実力派集団で、それで二重合唱やら、ソロ群vs大(?)合唱やら、ひとり1パートの10声やらといった多彩な組み合わせを巧妙に、うまみたっぷり、エキサイティングに仕上げてゆく――南国系団体にはない「深み」と「余韻」がたっぷりあるのがオランダ=ベルギー系室内合唱の良さだと思うのですが、なにしろドメーニコの教会音楽ときたらひたぶるに内面的、そんな奥深さがあってこそ、作品の良さも引き立つというもの!

 

・・・と、プログラムの紹介が遅れました。やたら鍵盤ソナタばかりが取り沙汰され、たまーに初期のカンタータが演奏されるくらいのD.スカルラッティは、稀代の教会音楽作曲家でもありました。でもオペラ的なスタイルはいっさい使わず、ルネサンスに逆戻りしたかのような多声合唱ばかり書いた。しかし時代はバロック、禁欲的に書いたとしても、自ずとダイナミックな情感のうねりが奥底でたぎっている…その感じがすごく美しく、独特の味わいになっているんですね。10声ものパートが緻密な綾を織り上げてゆくスロウな名作『スターバト・マーテル』、新年にふさわしい『テ・デウム』など充実作4編のあいだに、これは元々オルガンのため?と推察されるソナタが挟まるのも小憎らしい仕掛け。じっくり聴き進めるうちに、あの555曲ものソナタへの接し方も、ちょっと変わってくるかもしれません。

 

価格のぶん損はさせない充実盤――奥深い魅力たっぷりのアルバム、どうぞご注目を!