ユナイテッド・インストゥルメンツ・オヴ・リュシラン
ゴールトベルクの幽霊
〜J.S.バッハ『ゴールトベルク変奏曲』をめぐって〜
MFUG533 国内盤 2,940円
・バッハ『ゴールドベルク変奏曲』より
アリア、第3, 6, 9, 12, 15, 18, 21, 24, 27, 30変奏(九つのカノン)、アリア・ダ・カーポ
・ガース・ノックス「ゴールドベルクの幽霊」
・マルセル・ロイター「間奏曲」「砂漠/森」
・ブリス・ポゼ「四つの変奏曲」
・トン・ド・クライフ「変容
I&II」
・ベルナール・ストリュベール
「ホットバーグ・ストーリーズ」
注目必至!ヴィオラとヴィオラ・ダモーレの鬼才奏者ガース・ノックスが仕掛ける、
バッハの名曲にまつわるスタイリッシュなコンテンポラリー・アルバム――
オリジナルとヴァリエーション、古楽器と現代楽器が織りなす意外なコラボレーション!!
こちらも「バッハにもとづく」系のアルバムですが、アプローチはヴァイブラフォン盤(GRML98794)とはだいぶ違い、ぐっと知的な感じ。全クラシック中でも屈指の人気を誇る『ゴールトベルク変奏曲』をベースに、現代作曲家たちがヴィオラ・ダモーレやチェンバロなど古楽器も交えて時にアンビエント、時にインテリっぽく絡むのですが、これがまた何ともユニークな聴覚体験に!
最初と最後のアリアはそのまま演奏され(冒頭のアリアはオーセンティックにチェンバロ・ソロで)、原曲で3変奏ごとに現れるカノン楽章もそのまま演奏され(シトコヴェツキー版の弦楽三重奏ですが、音楽そのものはいじられてません)、そのあいだを埋めるようにして新作楽曲が置かれてゆく...ヴィオラ・ダモーレもこなすヴィオラ即興演奏の達人ガース・ノックスをはじめ、フランスやルクセンブルクの現代作曲家たちの綴る音楽はみな、小規模室内楽の楽器ひとつひとつの音を大事にした佳品ぞろい(とくに、ヴィオラ・ダモーレとマリンバのデュオによるノックスの表題作がなんとも心地好い!)、微妙に原曲につながっているような、しかしバロックとは全く違う響きがバッハ音楽のあいだに挟まっているこの感触、クセになります――原曲にまつわる逸話どおり睡眠導入にするも良し(つまり「聴きやすさ」「心地よさ」の点で心配なし・ということです)、原曲と新作との関連をじっくり探るも良し。
演奏陣はルクセンブルクの気鋭団体、現代音楽グループだけあって全員が腕達者――絶妙の呼吸感で聴く弦楽三重奏版バッハだけでも本盤を聴く理由にはなると思いますが、マリンバ、サックス、クラリネット、フルート・・・それぞれ聴かせどころがあり。どうぞご注目を!