プラメナ・マンゴヴァ(ピアノ)
ナターリャ・プリシチェペンコ(vn)ゼバスティアン・クリンガー(vc)
タチヤーナ・マリニチェンコ(ソプラノ)
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 他
MFUG525(国内盤)2,940円
【収録曲目】ドミトリー・ショスタコーヴィチ (1906〜75)
1.
ピアノ三重奏曲
第2番 ホ短調 作品67(1944)
2.
アレクサンドル・ブロークの詩による七つのロマンス
作品127(1967)
『レコ芸』特選はダテじゃない、とにかくウマい、このピアニスト! 豪華な共演者は
アルテミスSQ創設メンバー&バイエルン放響首席チェロ。個性はぶつかり、調和する――
歌曲伴奏もお手のもの。息をのむ静けさから強烈なアクセントまで、興奮必至の11トラック !
ブルガリア期待の星、若き俊英プラメナ・マンゴヴァによるショスタコーヴィチのピアノ・ソナタと『24の前奏曲』のアルバム(MFUG517)は立派な表現力を誇る名盤で、先日の日本リリース後、このたびめでたく最新号の『レコ芸』特選に輝いてくれました。この盤、実はフランスでも意外と出し渋られるレビュー賞のひとつ「ディアパゾン・ドール」(フランスの『レコ芸』的存在の『Diapason』誌の金賞です)をみごと獲得しています。
その勢いを逃すなかれ!とレーベル主催者が思ったか思わなかったか、今度は同じピアニストの次なる新譜が登場。今度はピアノ・トリオと連作歌曲で、負けじと劣らず強烈な音楽性を持った弦楽器奏者たち&スラヴ的美質全開の歌手と見事なアンサンサンブルを聴かせます。プロコフィエフのVnソナタ盤(MCYP1646)といい、近代ロシアの室内楽が確かに彼女にはしっくりくるような。
大作トリオでは「あの」アルテミス四重奏団の創設メンバーたるプリシチェペンコ(vn)、現ヤンソンス時代のバイエルン放響で首席チェロを勤めるクリンガーという「濃い」共演者たちと個性をぶつけ合い、息をのむ静謐な瞬間も容赦ない強音の応酬もみごと曲のドラマ的構成のうちに織り込んで、これぞショスタコーヴィチ室内楽!と唸らずにはおれない至高の絶演を繰り広げます。
いやホント、カッコよすぎです! 火花飛び散ります、霊降りてきます、交響曲よりも端的な極小編成ゆえ曲の輪郭がはっきり際立つ中期の傑作、その魅力炸裂です!いっぽう連作ロマンス集『ブロークの…』は故・ロストロポーヴィチが「妻ガリーナとチェロで共演できる曲を」とショスタコーヴィチにもちかけて書かれ、結果ピアノ・トリオで伴奏する形になった曲集。歌い手はウクライナ出身スペイン在住、アルフレード・クラウス門下といいますが、自然にかかる神経質なヴィブラートはどこか大時代ソ連系歌手にも通じるような魅力があり、ショスタコーヴィチには珍しい?叙情美優先的な曲の良さをめいっぱい引き出します。そして伴奏陣のトリオ…この美しい歌の後ろで、さりげなく凄い音楽を奏でる――じっくり聴き極めたくもなるというもの!