アンサンブル・オクサリス

マルフリート・ファン・レイセン(Ms)アンドレ・ポスト(T)

マーラー:交響曲『大地の歌』

(シェーンベルク&リーンによる室内楽編曲版)

MFUG516 国内盤2,940

 

【収録曲目】

グスタフ・マーラー(18621911)交響曲『大地の歌』(シェーンベルク&リーンによる室内楽編曲版)

 

きりりと引き締まった、このアンサンブルの精妙さ! くっきりと見えてくる、楽曲構造!

室内楽編成に編みかえられたがゆえ、そして奏者全員がソリストであるがゆえマーラーの芸術性とシェーンベルクの作為が際立つ!出色アイテムを、日本語解説付で。

 

入念なマーラー・ファンなら、もうヴァージョンそのものは珍しくないかもしれませんね――シェーンベルクが自ら主宰する室内楽演奏会「私的演奏協会」のために編曲を試み、近年ライナー・リーンという現代作曲家が補筆完成させた『大地の歌』室内楽ヴァージョンは、弦5部各1人、木管五重奏にピアノ、ハルモニウム、打楽器奏者2人が加わる極小編成で、この壮大な大作の奥にどのような楽曲構造があるかをすっきりと見せてくれる編曲になっています。

 

“室内楽編曲”もここ10年ほど静かな流行をみせているようですが、肝心の演奏がしっかりしていないと単に原曲をむだに物足りなくしてしまっただけに聴こえるところ――そこへいくと、このベルギーの芸術家集団はやっぱり只者じゃなくて。ハープとフルートを伴うフランス近代作品集(MFUG511)でも、きりっと明瞭な音作りに繊細な表情をにじませて、緩急自在の音楽作りに息を飲んだものですが、今度は古楽系のテノール、ムソルグスキーやワーグナーにリゲティなど現代までこなす多芸なメゾソプラノの2人をゲストに迎え、綾なすオーケストレーションの骨子をすっきり打ち出しながら、各人が驚異の集中力で一体感あるアンサンブルを作りながら、同時に各パートの流れを鮮烈にアピールしてみせる…と書いてしまうと「ほう、そうかい」くらいなただの胡散臭い紹介文ですが、まあ聴いていただければわかると思います。

 

ヘレヴェッヘ盤もそりゃあ素敵ですが、こちらでは「(基本的に)指揮者がいない!」という緊張感、そんな演奏スタイルを可能ならしめる団員の相互理解あってこそ、この至高の境地にたどりつけたのかもしれません。マーラー好き・近現代好きでなくとも、これは必聴ですよ!