ヨアンナ・モンドロシキェヴィツ(ヴァイオリン)

バッハ:無伴奏ヴァイオリンのための

ソナタとパルティータ(全6曲)

GRML98752 国内盤・2枚組 4,515

ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ (16851750

『通奏低音なしの六つのヴァイオリン独奏曲』(無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ)全6曲

 

高潔!純然! めったに手に入らない最高級ウォツカのような、強烈なる高雅さ――

 東欧ユダヤ、フランコ=ベルギー、そしてウィーン...と三つの伝統をひく

多芸なるポーランドの俊英がおくる、現代楽器ならではの存在感あふれる「無伴奏」!!

 

これはちょっと、放ってはおけない「無伴奏」ですよ! 現代楽器での録音ですが、さりげなく聴いているうちグイグイ本気で引きずり込まれる求心力――演奏者はポーランドの俊英、ヨアンナ・モンドロシキェヴィツ。

 

まずフーベルマン系の師匠から東欧ユダヤの伝統を仕込まれたのち、ベルギーに渡ってグリュミオー門下でフランコ=ベルギー派の濃やかさを身につけ、さらにウィーンでアルバン・ベルクSQのピヒラー教授についてウィーン流儀まで学んだという彼女は、昨今もパウル・グルダとのタッグで、ウィーンの知られざる名匠ヴェレスの作品群を集めた素晴しいアルバムを作ったり(GRML98818)ロンドンのユダヤ音楽祭に出演したり、と多芸ぶりで知られる才人ですが、こういう王道レパートリーで聴いてみると、器用貧乏とは無縁の、とほうもない技量と感性の持ち主なのだとわかります。

 

ふわっと高雅なたたずまいはウィーン流儀の上品さも感じさせつつ(ボスコフスキーがバッハを弾いたらこうかな...とか思ってみたり)、同郷の名匠ヘンリク・シェリングの突き抜けるような高潔さにも相通じるような、一糸乱れず決然と弾き進んでゆく確かさにも貫かれていて。

 

それなのにポリフォニーの弾き分けは絶妙というか完璧というか、長大なフーガやあの「シャコンヌ」などはきれいに分かれたパート進行と強烈な求心力とが信じがたく並存していて、何だか耳を引っぱられるような思いで音楽に引き込まれてゆくこと請け合い!軽やかに舞う舞曲群や静謐な緩徐楽章も、えもいわれぬ味わいに陶然となってしまいます。クレーメルの旧録音、S.ラウテンバッハー、シェリング、その他東欧ユダヤ系の古めかしい高雅さが好きな方に是非是非おすすめなのはもちろん、だんぜん古楽器派!という方が聴いても必ずや心に残る何かを与えてくれる、いやまさに「放ってはおけない」全曲録音でございます!