
CD:MFUG508 Fuga Libera 国内盤 2,940円 J.S.バッハ&C.P.E.バッハ 鍵盤作品集
〜おお、甘美なるクラヴィコード〜
ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)
カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714〜88)
1. 組曲 ホ短調 Wq.62-12/H.66(C.P.E.バッハ)
2. 変奏付きアリア BWV989(J.S.バッハ)
3. ファンタジア 第2番 ハ長調 Wq.59-6/H.284 (C.P.E.バッハ)
4. ファンタジア イ短調 BWV922(J.S.バッハ)
5. ラウテンヴェルクのための組曲 イ短調 BWV996(J.S.バッハ)
6. 「スペインのフォリア」による12の変奏(C.P.E.バッハ)
ジョスリーヌ・キュイエ(クラヴィコード) 使用楽器A:エミール・ジョバン(フリーデリツィ1773年モデル) 使用楽器B:パトリック・シュヴァリエ(フーベルト1785年モデル)
“強烈なクラヴィコード”なんて、聴いたことない!!
こんなに激しく、クラヴィコードで歌い狂えるのか?
名曲と秘曲で綴る、通念を覆す至高のバッハ演奏!!
「フォル・ジュルネ」の本拠地として知られる中仏の古都ナントで活躍する古楽アンサンブル・ストラディヴァリアの通奏低音奏者、ジョスラン・キュイエのバッハものアルバム…と書くとまったく陳腐きわまりなく、担当も正直聴きもせずに見過ごしかかっていた1枚ながら、かけてみて全く印象が変わった。全編クラヴィコードで弾いているのだけれど、とにかく弾き方が絶妙にアグレッシヴ! 要所要所で爽快に激しいのである。…と、念のため楽器説明を少し。
クラヴィコードはピアノの正当な前身楽器で、チェンバロが弦を「弾く」ところ、こちらは小片で「つっつく」ことで音を得るため音量は驚異的に小さい。しかし楽器のアナログな構造ゆえ、強くキィを押すと弦をゆがめ特殊な音響効果も得られる――ジョスリーヌ・キュイエはこれを最大限に生かして表情をみごとにつけ、かつ「フォルティシモ」的な打鍵をすばらしく絶妙のタイミングで織り交ぜながら、ただでさえ感情表現の強烈な“大バッハの次男”エマヌエルの作品の持ち味をユニークな方向に突き進ませ、「孤独と憂愁のロマン派の先駆け」的に鬱々とした美を追求するタイプの演奏とは一線を画した、「フランスの」「女性」ゆえにか?と思われる独特の境地を体現しているのだ!
エマヌエル・バッハ作品がそんな感じゆえか、交互に現れる大バッハの作品もそうした感情表出的な側面が美しく強調されていて、なんとも聴き応えある、およそクラヴィコード゙らしからぬ…いや、しかしクラヴィコードであるがゆえ辿りつけた絶品解釈が打ち出されている。こちらも「何はともあれ聴いて欲しい」としか言いようがない――つまり、さりげなく試聴機に入れておくとご利益のありそうなアイテムなのだった!
仏Le Monde de la Musique誌 「CHOC(ショック!)」特賞受賞
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