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シプレ・レーベル CD MCYP1611 〜 MCYP1620  (ベルギー)

CD:MCYP1613 Cypres 国内盤 2,940円 ドビュッシー:初期と晩期の歌曲集 / クロード・ドビュッシー(1862〜1918)

叙情的な散文(1892〜93)
1. 夢
2. 砂浜
3. 花
4. 夕暮れ

ビリティスの唄(1897〜98)
5. パンの笛
6. 髪
7. ナイアード(水の精)の墓

忘れられたアリエッタ(1885〜87)
8. やるせなく夢見る思い
9. わたしの心に涙がふる
10. 霧つつむ河の面の木々の影
11. 木馬
12. グリーン
13. スプリーン(憂愁)

マラルメの三編の詩(1913)
14. 溜息
15. 取るに足らない願い
16. 扇

ボードレールの五編の詩(1887〜89)
17. バルコニー
18. 夕暮れの諧調
19. 噴水
20. 黙想
21. 恋人たちの死

奈良ゆみ(ソプラノ)
クロード・ラヴォワ(ピアノ)

メシアンの絶賛を受けたソプラノ、「パリの異国人」 奈良ゆみ。
薫り高くも誠実な歌心が浮かび上がらせる、
                   文学愛好家ドビュッシーの横顔。

 前代未聞の作曲技法で音楽の世界に印象主義をもたらしたドビュッシーは、実は若い頃からの年季の入った文学愛好家。声楽作品の歌詞に選んだ詩の作者もマラルメやピエール・ルイスら同時代の詩人たちはもとより、ヴェルレーヌやボードレール、はては古えのヴィヨンやトリスタン・レルミット・・・とかなり広範にわたっている。この新芸術の旗手は言語という芸術要素にふれ、どのような新境地をみせたのか――このアルバムでは象徴派もデカダンもまだ前衛芸術だった1880年代の作「忘れられたアリエット」から、豊穣な1890年代の名作群をへて後年の「マラルメの詩による三つの歌」にいたるまで、さまざまな様式のなかで精緻に仕上げられた名作の数々を収録。歌い手はパリを拠点に活躍する名歌手・奈良ゆみ――晩年のメシアンに絶賛され、パスカル・デュサパンや松平頼則ら現代を代表する作曲家たちが数多くの新作を捧げ、フランス六人組やサティらの作品はもとよりシェーンベルクやヴァイル、ケージまで幅広く歌いこなす奈良が本盤でみせた細やかにして雄弁な歌い口は、ペニッシュ・オペラの名伴奏者ラヴォワの瑞々しい伴奏とともにフランスの愛好家たちをも魅了、『ル・モンド』紙の音楽雑誌も惜しみなく「CHOC(ショック)!」大賞を贈っている。21曲にわたるパリ近代芸術の精華――歌詞対訳とあわせ、心ゆくまでお楽しみください。


CD:MCYP1616 Cypres 国内盤 2,940円 レイエラント:交響曲 第4番、神秘の牧歌

ヨーゼフ・レイエラント(1870〜1965)

1. 交響曲 第4番 変ホ短調 作品55(1913)〜管弦楽と合唱のための
2. 神秘の牧歌 〜ソプラノ独唱と管弦楽のための

ファブリス・ボロン指揮 フラーンデレン(フランダース)交響楽団 ミレイユ・カペル(ソプラノ)コール・ノヴェチェント合唱団

雄大にして繊細、これぞベルギーの自然の歌!
亜流ブルックナー系の独語圏交響曲とは一線を画す聴き逃してはもったいない世紀転換期の傑作2編

ベルギーには大まかに分けてフランス語圏とフランダース語(≒オランダ語)圏があって、Cypresはフランス語系の人々が切り盛りしているレーベル。だからジョンゲンやルクー、下記のビアランなどフランス語系の作曲家に強いわけだが、ここにご案内する秀逸アルバムの作曲者はフランダース語系のレイエラント。

ひとくちにベルギー世紀末といっても、フランスの新しい音楽(とくにフランク主義者たち)に大なり小なり感化されていったジョンゲンやジルソンあたりのフランス語系作曲家たちと少し違うのが、レイエラントやド・ブックら、ドイツ近代からの影響をさらに強く蒙ったフランダース系作曲家というわけで、ここでは「大地の歌」をより牧歌的かつ繊細にしたような「神秘の牧歌」とあわせ、充実した大作である「交響曲 第4番」をメインのプログラムに据え、フランス語系ベルギー楽壇の風潮とはまた違った「世紀転換期」のありようをじっくり楽しめるという次第!

最近Brilliantから再発売された(Chandos制作の)ディーペンブロック作品集と聴き比べて、同時代のオランダ楽壇との相関関係について思いを馳せるも良し――しかし何といっても「交響曲」というだけのことはあり、随所の繊細な響きもさることながら、おおらかに広がる壮大なスケール感がたまらない!(合唱付というあたり、ほぼ同時代の作であるホルスト「惑星」も髣髴させる?)「良いオーケストラものを聴いた」という充実した鑑賞感に浸れるのも、ひとえにフランダース交響楽団の限りない共感のなせるわざかもしれない。

「神秘の牧歌」は3部作の連作歌曲のようなもので、こちらも細やか&濃やかな歌がどこまでも綺麗な響きを聴かせる。「芸術の秋」に聴くにはもってこいの、ベルギービールが欲しくなる1枚なのだった。

《参考盤》 ジョンゲン:チェロ協奏曲 他 マリー・アリンク(vc) ロマン・コフマン指揮 ベルギー国立管弦楽団 MCYP1634


CD:MCYP1617 Cypres 国内盤 2,940円 ルクー:チェロ・ソナタ、ピアノのための三つの小品 ジャン=ポール・デシー(vc) ボヤン・ヴォデニチャロフ(p)


CD:MCYP1618 Cypres 国内盤 2,940円 ショパン:練習曲集 作品10/25 他

フレデリク・ショパン (1810〜49)

1. 練習曲集 作品10(全12曲)
2. 練習曲集 作品25(全12曲)
3. 三つの新しい練習曲(1839)

津田理子(ピアノ)

自由自在、抑揚豊かに伸縮する音の息吹き――確かな構築感で描き出される、周到にして大胆な解釈!
  スイスを中心に活躍を続けている津田理子のピアノ奏法は、リストの弟子で、スイスと同様フランス語とドイツ語が交錯するアルザス地方出身のマリー・ジャエル(1846〜1925)によるシェス=バス奏法を手本にしているという。綿密な楽譜読解を経て、確固たる安定感のなか自在にニュアンスを描き分けてゆく独特のタッチで仕上げられたショパンの二大練習曲集は、派手さとは無縁にもかかわらず、おどろくほど強い印象を聴き手の脳裏に残すのではないだろうか? 各曲集全体の構想を見すえた周到な構成感覚のなか、意外なテンポ設定や微妙なタッチによって描き出される独特の演奏解釈は各曲の通念的作品像をひとつひとつ静かに覆してゆき、聴き手はいつしかこれら練習曲の連続を雄大な曲集として味わいながら、じわりじわりと湧き上がる驚きに身をまかせずにはいられない――「筆さばきのよい北斎の版画を思い起こさせる」(仏Le Monde de la Musique誌)と評された名技師ユーグ・デショーの的確なエンジニアリングとともにヨーロッパでも賞賛をもって迎えられた傑作録音! ひたすらに深いその味わいを、どうぞじっくりとお楽しみ下さい。