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コンチェルト・レーベル CD CNT2001 〜  (イタリア)

CD:イタリアから、美麗ジャケットの充実レーベル登場 ミラノ発の「古楽“系”」CONCERTOは、意外な宝が詰まっている!

新しく取り扱うこととなりましたイタリアのレーベル、CONCERTO(コンチェルト)を御紹介いたします。  

第1回リリース分がそろそろ好評を博し始めているGramolaと同じく、プラスチックケースのまわりに美麗化粧箱をつけたタイプのパッケージがニクいこのレーベル、本拠地はミラノで、母体となっているのはMusicMediaという録音制作会社。そこにクラシック系のプロデューサーが加わり、高品質のレコーディング、徹底した音楽学研究の成果を背景に、さまざまなミュージシャンがいずれ劣らぬ興味深いプログラムを展開しつづけています。

自分たちの自然な感性をみごと理論で整理してゆく、北イタリアらしい、知性あふれるレーベルでございます。 中心をなすのは古楽器系録音ーーしかしモダン楽器ものも大いに充実!  上で古楽“系”としたのは、このレーベルのアイテムが決して古楽だけに留まっていないため...と言いつつ、さりげなく偉大な古楽音楽家たちが参加しているあたりにソソられます。

今回紹介分では、やはりマルコ・ビズリー(テノール)がいちばんの注目株でしょうか? しかしその共演者にアッカデーミア・ビサンティーナの指揮者としても知られるオッタヴィーオ・ダントーネやら、ジャズも現代音楽もこなすルーカ・ボンヴィーニ(トロンボーン)の名が見られるのにも驚きです。他にも並ぶものなき古楽クラリネットの天才アンソニー・ペイがさりげなくアルバムを制作していたり...。  看板アーティスト的な存在としては、チェンバロ奏者フィリッポ・エマヌエーレ・ラヴィッツァとオルガニストのアレッシオ・コルティがいます。前者はボブ・ファン・アスペレンのもとオランダで修行した知性派の俊英、後者はリオネル・ロッグ門下生、モーツァルトやメンデルスゾーンで迫る変り種かと思いきや、きわめて堂々としたバッハ作品全集を制作していたりするから侮れません。  

そのほか完璧な技巧と端正な解釈のなかにほんのり温かみを宿らす忘れ難いギタリスト、ジューリオ・タンパリーニも複数の注目盤をリリースしています(タレガ、ロドリーゴ、ジュリアーニ...いずれ劣らぬ名演ぞろい!)。現代楽器路線でも気鋭チェリストやスカラ座の首席コントラバス奏者などが続々登場、しかもプログラムがみな考え抜かれ、変化に富んだものとなっているのに好感が持てます。 美しい外装、それに負けない美しい録音  黒を基調としたパッケージは、さわっても指紋のつかない上質の紙を選んで作った化粧外箱でくるまれています。

シックな色使いは、ファッションの国イタリアならではのセンスの良さ!とはいえ意外と、こういう上品なパッケージのレーベルが少なかったりするのがイタリア?その意味では出色の出来栄えで、貴店の棚を美しく演出してくれること間違いなし!  上で申したとおり母体が録音会社だけあって、録音エンジニアリングにも相当のこだわりを見せています。

多くの録音が64bitという濃密なフォーマットで収録され(あるいは32bitマスタリング)、ミュージシャンたちが奏でる直接音の美を余さず聴き手に伝えてくれます。とくに撥弦にせよ弓奏にせよ、弦楽器の響きは実に趣き深く感じられます――そのあたりは今回御紹介しているギターやコントラバスのアルバムに、如実な反映を聴き取ることができるでしょう。

季節ごと2〜4点ずつの国内盤仕様リリース  先日御紹介したArco Divaなどと同じように、レーベル主宰者は「全点をじっくり国内仕様で」リリースしてほしい、との意向で、弊社もなるべくそれに沿うかたちでご紹介を進めてゆきたいと考えております。季節ごと2〜4点ずつ御紹介しながら、最新新譜を随時あわせてリリース、というスタイルになる予定です。タイトルによっては輸入盤仕様でのリリースも検討しておりますが、幸か不幸か現時点でプレス切れ(しかし再プレス予定はあり)の商品が多く、じっさいに入手できる段階になるのは日本語解説が完成している頃...といったパターンも多いような気がしております。

ひとまず本年末頃の第2回ご案内までには方針も固まってくると思われますので、様子を見つつ、お客様からのご希望がありましたら随時ご相談いただければ幸いです。


CD:CNT2001 CONCERTO 国内盤 2枚組 4,515円 タレガ ギターのための作品集 フランシスコ・タレガ(1825〜1909) レコード芸術2008年2月号 新譜月評 器楽曲 に掲載されました。

《Disc1》

1. アラビア風奇想曲(セレナータ)
2. 朝の歌(アルボラーダ)
3. エル・コルンピオ 
4. マリア(ガヴォット)
5. マリエータ(マズルカ) 
6. アデリータ!(マズルカ)
7. ロジータ(ポルカ) 
8. 大ワルツ 
9. オダリスク舞曲
10. パバーナ(パヴァーヌ) 
11. パキート(ワルツ)
12. ペピータ(ポルカ) 
13. ムーア舞曲
14. ワルツ ニ長調 
15. アルハンブラの思い出
16. マズルカ ト長調 
17. ミヌエット(メヌエット)
18. アラールのソナチネにもとづく練習曲
19. イザベル(ワルツ) 
20. 蝶々
21. クラーマーの練習曲にもとづく練習曲
22. 夢(マズルカ)
23. ふたりの姉妹(ワルツ)
24. パガニーニの「ヴェネツィアの謝肉祭」にもとづく変奏曲

《Disc2》
1. 24の前奏曲集(全曲)
2. 前奏曲 イ短調(シューマンの作品99-2の編曲)
3. メヌエット形式による練習曲
4. ダマスの主題による練習曲 
5. 夢(トレモロ練習曲)
6. ト調調の練習曲
7. プリュダンのソナチネによる練習曲
8. なめらかさの練習曲
9. 作者不詳のスペインの旋律によるマズルカ
10. メンデルスゾーンの「ヴェネツィアの舟歌」作品19-6
11. ヴェルディの『椿姫』による幻想曲

ジューリオ・タンパリーニ(ギター) 使用楽器:ルチアーノ・ロヴァディーナ1987年製

ギター・ファン必見! なんとたっぷり2枚組!
「ギターのサラサーテ」と讃えられた名匠の曲をここまで体系的に!端正にして濃やかな秀逸盤

後に紹介するボッテジーニも「コントラバス奏者なら誰でも知っている」タイプの作曲家ですが、こちらのタレガはそれこそクラシック・ギターをかじった人なら「ロジータ」や「アラビア風奇想曲」など、必ず何曲か弾いてみたりしているであろう重要作曲家!昨今はNAXOSその他のレーベルの活躍で19世紀のギター音楽もずいぶん詳しく紹介されるようになったとはいえ(メルツもコストも何枚もあるこのご時世…)、タレガの偉大さがそれで揺らぐわけではない、とこのアルバムにふれて改めて思う方も多いはず!

タレガの生年は1825年だから、考えてみればブルックナーやスメタナ、ヨハン・シュトラウス2世あたりと同世代に属する人なわけです。これだけ体系的に曲を集めてみると、ポルカやマズルカ、ワルツといった19世紀サロン的舞曲も多いのに気づかされてみたり、大規模な変奏曲や幻想曲のたぐいの“壮大さ”に改めて感じ入ったり――しかしそうした喜びをイチイチ噛み締められるのも、ひとえに演奏者タンバリーニの技量あってのこと!解釈そのものはわりと端正(磨き抜かれた技巧の確かさ!)ストレートな方だとは思うけれど、それでもよく知っているはずの名曲がなんとも瑞々しく響き、知らなかった曲は本来の持ち味がひしひしと伝わるように感じられ、ちょこっとだけ聴くはずが次々と惹かれてしまう。

あらためてタレガをじっくり、という方にも、ギターものはあまり聴かないクラシック・ファンにも。この奥深さを見逃す手はない!とお勧めしたい2枚組です。


CD:CNT2004 CONCERTO 国内盤 2,940円 ボッテジーニ コントラバスの超絶的名手 ジョヴァンニ・ボッテジーニ(1821〜1889)

1) メロディ(悲愴なるロマンス)
2) 序奏とボレロ
3) ニ長調のエレジア/タランテッラ
4) メンデルスゾーン風の大アレーグロ
5) ベッリーニの歌劇『夢遊病の女』による幻想曲
6)「ヴェネツィアの謝肉祭」に基づく序奏と変奏

フランチェスコ・シラグーサ(コントラバス) / ロベルト・パルッツォ(ピアノ)

艶やかなロマン派情緒、沁みわたる歌心――
スカラ座首席奏者の名演は語る「コントラバスのパガニーニは、コントラバスのヴェルディでもあった!」

コントラバスも他の楽器の例にもれず、19世紀に超絶的スーパープレイヤーがあらわれて演奏技巧が飛躍的に発展した――その代表的存在は、コントラバス関係者なら誰でもご存知、カイロでヴェルディ『アイーダ』の世界初演を指揮したイタリア人、ボッテジーニ! 重音奏法やフラジオレット、とんでもない高速パッセージなどをふんだんに盛り込んだその難曲の数々は、これまでに数々のコントラバス奏者たちによって愛奏され(ひっそり)録音され続けてきたわけだが、ミラノ・スカラ座で首席奏者をつとめるシチリア生まれの名手シラグーサの解釈は、ちょっと一枚上手なのだ――ただでさえ演奏ノイズの多い巨大楽器コントラバスだけに、超絶技巧の側面をハデに押し出すのはある意味たやすいのだが、シラグーザはどのパッセージも完璧に弾きこなして、あくまで困難を感じさせない方向で。

むしろ彼が魂を注ぎ込んでいるのは、このヴェルディの同時代人(しかもイタリア人)の作品群が、いかに濃やかな“歌”にみちているか、なのだ!しなやか&優美な重低音でリズミカルに進む展開、パガニーニばりの超絶技巧でかそけき高音へと駆け上がるフラジオレット…コントラバスの語り口そのものになれていない聴き手さえ、この演奏ならボッテジーニの「歌心」の側面をひしひしと感じ取ることになるのでは?じわりと響いて攻撃的でない、コントラバスを「美しい」と感じさせてやまない好感触ぶりなのだった――スカラ座を支える技量はダテじゃない、オペラ・ファンにも奈落の底力を実感していただけるおすすめの逸品!