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カロ・ミティス・レーベル SACD (ロシア)

2005年新規取扱レーベル第2弾
ロシアのSACDレーベル CARO MITIS (カロ・ミティス)
ロシアの古楽シーンはこんなに高水準だった!
名作路線と秘曲路線、どちらも充実した高音質SACDレーベル

 弊社マーキュリーより、本年2番目の新規取扱レーベルをご紹介させていただきます。
  (他にも数社の気鋭レーベルとの新規取扱契約が完了する見込です...どうぞご期待ください!) 
  ロシア初のハイブリッドSACDレーベル「CARO MITIS」は、リリースするアイテムすべてがマルチチャンネルのハイブリッドSACD(もちろん通常プレイヤーでも再生可です)。オランダ系らしき録音スタッフ陣はノイマンkm130、B&K4006/4011、Schoeps mk2S/mk41といったマイクを使用、Pyramixシステムにて録音・編集。音像も鮮明によみがえるそのサウンドは、古楽器でも現代楽器でも古い樹の香りを感じさせるような趣き深さがあります。
  大事なのは演奏内容・プログラムの充実ぶり――わずかな室内楽を除きこれまで滅多にきくことのできなかった18世紀ロシア音楽や、興味深いバロック・古典派名曲の別編成演奏ものなど、見れば見るほどクラシック・ファン心理をくすぐる仕掛けばかり。全点ハイブリッドSACDであるからといって、決してコアなオーディオファイル諸氏のためだけにあるレーベルでは全くないのです!
  主要アーティストは現代楽器・古楽器それぞれ一つずつの俊英2団体――驚くべき音楽性の持ち主であるオーボエ奏者アレクセイ・ウトキン率いるロシアの若き俊英団体エルミタージュ室内管弦楽団はバッハやモーツァルトなどの「王道」ものを、清々しさと滋味豊かな木目調のサウンドが相半ばする独特の音楽性で仕上げてゆきます。またきわめて珍しいロシアのピリオド楽器アンサンブル「プラトゥム・インテグルム」は、古くはアレクセイ・リュビモフ、最近ではNAIVEのヨランダ・スキュラといった人たちと活発に交わってきた古楽に造詣のふかいモスクワ国立音楽院の学生・教師たちによって組織された団体。こちらもきわめて鮮烈な音楽性を武器にしていますが、とりあげるプログラムは「18世紀・古典派時代のロシア音楽」が中心。フランスやイギリスにあこがれまくっていた女帝エカチェリーナの治世下のロシア貴族たちが、いかに洗練された古典派音楽を聴いていたかということを教えてくれる興味深いシリーズを録音中です。ロシア音楽ファン、古楽ファン双方ともに要チェックのアンサンブルです。
  そのほかにも、今後のリリース予定にはチェンバリストのオルガ・マルティノーヴァや、なんとあのスタニスラフ・ブーニンによるタネイエフ作品集などという瞠目もののアイテムも含まれています。

 「我々の戦略は決して強力ではない、大海に雨滴がぽつんと落ちる程度のものかもしれない。(…)しかし継続的にリリースをつづけることによって、いつの日か、狂気的なマス・カルチャーからの避難所としてカロ・ミティス・レーベルが認識されるようになればと思う――そんな時が来たら、携帯電話をOFFにするのも忘れずに...」と販促パンフレットにあるような、徹底してスローなスタンスで作り上げられた丁寧な作品は、ある種AlphaやAmbroisieなど弊社扱の他の人気レーベルにも通じるものがあります。どうぞCARO MITISレーベルの今後にご期待ください

 


試聴

CD/SACD:CM001-2003 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid
J,S,バッハ:オーボエのための作品集 1
ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)

1.オーボエ・ダモーレ協奏曲 イ長調 BWV1055a
2.オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 ハ短調 BWV1060a
3.オーボエ協奏曲ヘ長調BWV1053a
4.オーボエ、フルートとヴァイオリンのための協奏曲 ハ長調BWV1064(A.ウトキン編)

sacd dsd surround

アレクセイ・ウトキン(オーボエ、オーボエ・ダモーレ)
  マリア・チェプリナ(フルート)
  ピョートル・ニキフォロフ(ヴァイオリン)
エルミタージュ室内管弦楽団

興味深くもあざやかな編曲によるBWV1064ほか、 隅々まで研ぎ澄まされた気鋭の若手集団の芸が憎い現代楽器による清々しいバッハ協奏曲集
 Caro Mitisの看板アンサンブルのひとつ、オーボエの名手ウトキン率いるエルミタージュ室内管弦楽団によるオーボエ協奏曲集。現代楽器を使ってのバッハだが、あくまでロマンティックには仕上げず、短めのフレージングできりりと引き締まった表現をきかせてくれる――これが“普通なようで意外にも味わい深い”! 今さら何も現代楽器でバッハを...と思って意地悪く聴いていても、ストイックに抑制をきかせた表現のなかに限りない歌心が秘められているのがじわじわ感じられ、(誤解を恐れずに言うならば)往年のリヒター/ミュンヘン・バッハ管を聴いていて感じるような感動にさそわれてしまうのだ。
  ウトキンの吹くオーボエやオーボエ・ダモーレは、硬めの音のなかに独特のぬくもりが仄かに漂う、といった感じか。好みはあるかもしれないが、高音の自在さ、低音の滋味ともにひどく高水準であるように思う。何にせよ、DSDによる秀逸な録音がこれらの妙味を的確に伝えるのに一役買っているのは確かだろう。通奏低音パートにさりげなく参加しているファゴットの音も、現実感あふれる音量できちんと聞こえてきたりするのがまた逐一心憎い。
  他に、このCDでの注目ポイントのひとつとしてBWV1064のオリジナル編曲(もちろん世界初録音)がある。バッハのチェンバロ協奏曲がみなヴァイオリンなど別の楽器のための協奏曲からの編曲であると仮定して“架空の原曲”を導き出す試みは今更何も珍しくはないが、ここでウトキンが用いたオーボエ・フルート・ヴァイオリンという組み合わせは往年のヴィンシャーマンも同じ曲の編曲に際して使っており、マニアの方々には比較検討の楽しみもあるかと思う。


試聴

 

 

CD/SACD:CM004-2004 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid
テレマンの短調〜組曲、協奏曲、 弦楽合奏のためのソナタ
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681〜1767)
1. 序曲(管弦楽組曲)ト短調 TWV55:a3 〜2つのオーボエ、ファゴット、弦と通奏低音のための(世界初録音)
2. 弦楽合奏のためのソナタ ヘ短調 TWV44:32 〜2つのヴァイオリン、2つのヴィオラ、チェロと通奏低音のための
3. 協奏曲 ホ短調 TWV52:e3 〜フルート、ヴァイオリン、弦楽合奏と通奏低音のための
4. ソナタ 変ロ長調 TWV44:34 〜2つのヴァイオリン、2つのヴィオラ、チェロと通奏低音のための
5. 協奏曲 ホ短調 TWV53:e1 〜2つのフルート、ヴァイオリン、 弦楽合奏と通奏低音のための

sacd dsd surroundプラトゥム・インテグルム管弦楽団             (ピリオド楽器使用)

こんなに素晴らしい古楽アンサンブルがロシアに!
  鋭角的なアクセント、歌心あふれるカンティレーナ...
   テレマンの持ち味を十二分に引き出した快演!
  ハンガリーやチェコ、ポーランドなど中・東欧で古楽がひそかに広まっていたことは、HungarotonやCD Accordなど日本でもおなじみのレーベルでアーティストたちが目覚ましく活躍していたせいもあって有名だとは思うのだが、正直、ロシアにこんな確たるピリオド楽器アンサンブルを結成できるだけの古楽土壌があったとは、驚くばかり。ごく正統派ピリオド系のアプローチで、現代最高のドイツ系古楽アンサンブルでもあるかのように引き締まった統率感、変幻自在のアンサンブル、各個人の名人芸...と魅力たっぷりの演奏を聴かせてくれる。彼らの名は「プラトゥム・インテグルム・オーケストラ」――モスクワ音楽院で古い音楽への興味を培ってきた若き名手たちと気鋭の教師たちによって組織されたアンサンブルである。1993年に結成された前身的アンサンブルのリーダーはアレクセイ・リュビモフ(fp)だったとのこと(なるほど!)で、プラトゥム・インテグルムとしては無名かもしれないが、既に手練の古楽集団・というわけだ。どうりで上手いはずである。
  収録されているのは、テレマンの短調の曲を中心とするアンサンブル作品。多彩な楽章が交錯する組曲やトラヴェルソの協奏曲も絶品ながら、5部の弦と通奏低音のために書かれた2編のソナタも、どこかバッハの「ブランデンブルク協奏曲」第3番や第6番に通じるアンサンブルの粋なやりとりが非常に面白い! この俊英団体の実力をあますところなく示すには、もってこいの選曲といえるだろう。東のかなたに、これほど豊穣な古楽世界が広がっていたことを知るには絶好の器楽アルバムだ。


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CD/SACD:CM004-2003 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid
ボルトニャンスキー:イタリア時代の音楽

ドミトリー・ボルトニャンスキー(1751〜1825)
1. 歌劇「クィント・ファビオ」序曲
2. 歌劇「クィント・ファビオ」〜アリア 「愛しい人、どうか無事に戻っておくれ」
3. カンツォネッタ「さあ、この誇り高き ひとときに」
4. フランス語によるアリア 「テミールの胸をば飾りに向かおう」
5. 習作フーガ「アーメン」
6. モテット「神よ、あなたに向きなおり」
7. モテット「アヴェ・マリア」
8. モテット「サルヴェ・レジーナ」
9. モテット「山も谷も響きをあげて」

sacd dsd surroundプラトゥム・インテグルム管弦楽団 (ピリオド楽器使用)
アナトーリ・グリンデンコ(合唱指揮)
オルガ・マルティノヴァ(cmb)

18世紀ロシアの巨匠、ありのままの姿がいまここに!
  鮮烈にエッジの効いた古楽オケで聴く、正統古典派作品集
  いったいいつの間に、ロシアにはこんな素晴らしい古楽の土壌が育まれていたのだろうか?! と、最初の序曲から誰もが思うに違いない――素晴らしく息の整ったアンサンブル、瑞々しい躍動感、エッジの効いたフレージング...どこをとっても最上級のオリジナル楽器による古楽アンサンブルである。
  しかしここで注目すべきは、実に見事に仕上げられたこれら“無名の”古典派の秀逸作品が、なんとロシアの作曲家によって書かれたものであるということ。作者はD.ボルトニャンスキー...といえば、ご存知の方もいらっしゃるのでは? 日本語による評伝が出版されたこともあるロシア18世紀を代表する作曲家で、CDではChandosからリリースされた10巻にわたる無伴奏合唱のための教会コンチェルト集が記憶に新しい。Caro-Mitisレーベルの試みはしかし、ボルトニャンスキーをロシア土俗のルーツとしてとらえるのではなく、イタリア留学時代の作品を中心に集めることで、18世紀のありのままの、つまり“ひたすら西欧かぶれ”な18世紀ロシア文化人としての姿を描き出そうとしたもの――つまり、90年代にOPUS111で続々リリースされた古楽器による「ロシア18世紀の室内楽」シリーズと同じようなアプローチなのだが、何といってもこちらは本場ロシアのレーベル。お望みなら、もちろんロシア語原文解説だってついているのである。
  それはともかく、あくまで正統古典派的に洗練された作品ばかりなので、一般の古楽ファン、クラシック・ファンにも安心しておすすめできる内容なのは確かだ。古楽ファン向けに付け加えておくならば、この古楽アンサンブルの主要メンバーがことごとく上述のOPUS111でのロシア古楽シリーズに参加しているということも知っておいて損はないかもしれない。Caro Mitisの底力を知りたければ、まずこのディスクから...ともいえる内容の1作だ。


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CD/SACD:CM003-2004 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid
モーツァルト:オーボエのための作品集

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756〜91)

1. オーボエ、ヴァイオリン、二つのヴィオラとチェロのための五重奏曲(A.ウトキン編)
2. オーボエと管弦楽のためのアンダンテ K.315 (A,ウトキン編)
3. オーボエ協奏曲ハ長調 K.314

ラメー・ロゴアレクセイ・ウトキン(オーボエ)
エルミタージュ室内管弦楽団

意外にも独特な玄妙さがきわだつオーボエ版K.516、
ウトキンの至芸にしびれる協奏的作品2編――
  堅固な実力は伊達じゃない、意外すぎる名演奏...! 一見したところ、ざらにあるモーツァルトのオーボエ作品集で、しかも適当な編曲で水増しか...と思いきや、実際に聴いてみるとこれが「実力を適切に出し惜しみしているのがひしひしと伝わってくる」素晴らしい演奏だったので、それはもう驚いた。
  エルミタージュ管弦楽団の面子がいかに素晴らしい技量の持ち主かは、冒頭に録音されたオーボエで第1ヴァイオリン・パートを吹いた短調の五重奏曲K.516をきけば明らかだ。弦楽器ほどに表現力はないだろう、という予想を大幅に覆し、ウトキン特有の繊細をきわめる玄妙なオーボエが独特の翳りを演出して、普通に弦楽器で弾かれた場合よりもある意味ずっと深刻かつ悲愴な雰囲気を醸し出しているから驚きだ――それはつまり、ウトキン以外の連中もありあまる実力を安易にひけらかすことなく、実に絶妙のラインですぐれたアンサンブルを聴かせているせいでもある。つまるところ、彼らは真の実力派なのではないか...と、じっくり聴き終わったあとには確信が芽生えてくるに違いない。
  フルートのための穏やかなアンダンテK.315も、ウトキンのオーボエではモーツァルト随一の“哀しさ”が浮き彫りになり、また違った音楽の側面に気づかされる。そしてK.314のオーボエ協奏曲での自由自在な吹奏にいたっては、もはや何を言うことがあるだろうか...。
  実際に聴いてみれば、冷静を欠いたこのコメントにも多少の理があることをお分かりいただけるに違いない。録音の素晴らしさも手伝って、筋金入りのモーツァルティアンにも安心しておすすめできる1作に仕上がっている。