CD/SACD:CM003-2004
国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid
モーツァルト:オーボエのための作品集
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756〜91)
1. オーボエ、ヴァイオリン、二つのヴィオラとチェロのための五重奏曲(A.ウトキン編)
2. オーボエと管弦楽のためのアンダンテ K.315 (A,ウトキン編)
3. オーボエ協奏曲ハ長調 K.314
アレクセイ・ウトキン(オーボエ)
エルミタージュ室内管弦楽団
意外にも独特な玄妙さがきわだつオーボエ版K.516、
ウトキンの至芸にしびれる協奏的作品2編――
堅固な実力は伊達じゃない、意外すぎる名演奏...! 一見したところ、ざらにあるモーツァルトのオーボエ作品集で、しかも適当な編曲で水増しか...と思いきや、実際に聴いてみるとこれが「実力を適切に出し惜しみしているのがひしひしと伝わってくる」素晴らしい演奏だったので、それはもう驚いた。
エルミタージュ管弦楽団の面子がいかに素晴らしい技量の持ち主かは、冒頭に録音されたオーボエで第1ヴァイオリン・パートを吹いた短調の五重奏曲K.516をきけば明らかだ。弦楽器ほどに表現力はないだろう、という予想を大幅に覆し、ウトキン特有の繊細をきわめる玄妙なオーボエが独特の翳りを演出して、普通に弦楽器で弾かれた場合よりもある意味ずっと深刻かつ悲愴な雰囲気を醸し出しているから驚きだ――それはつまり、ウトキン以外の連中もありあまる実力を安易にひけらかすことなく、実に絶妙のラインですぐれたアンサンブルを聴かせているせいでもある。つまるところ、彼らは真の実力派なのではないか...と、じっくり聴き終わったあとには確信が芽生えてくるに違いない。
フルートのための穏やかなアンダンテK.315も、ウトキンのオーボエではモーツァルト随一の“哀しさ”が浮き彫りになり、また違った音楽の側面に気づかされる。そしてK.314のオーボエ協奏曲での自由自在な吹奏にいたっては、もはや何を言うことがあるだろうか...。
実際に聴いてみれば、冷静を欠いたこのコメントにも多少の理があることをお分かりいただけるに違いない。録音の素晴らしさも手伝って、筋金入りのモーツァルティアンにも安心しておすすめできる1作に仕上がっている。
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