トップ
 CDカタログ
 LPカタログ
 SACD
 レコード芸術特選盤
 コンサート
 会社概要
 リンク
 マップ
 ご意見
 
Copy right 1999-2005
Mercury Web Site
All rights reserved.
カロ・ミティス・レーベル SACD (ロシア)

CD/SACD:CM005-2006 CARO MITIS 国内盤 2007年3月中旬 発売 3,360円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

ブラッティ:協奏曲さまざま 〜ロココ時代のドイツのイタリア人〜

ジョヴァンニ・ベネデット・ブラッティ (1697〜1763)

1. オーボエ協奏曲 ト短調 / 2. チェンバロ協奏曲 二長調 / 3. スターバト・マーテル / 4. ヴァイオリン協奏曲 イ長調 / 5. チェロ協奏曲 ト短調 / 6. ヴァイオリン、チェロと通奏低音のためのソナタ 変ロ長調

アルフレード・ベルナルディーニ(オーボエ) / ブラトゥム・インテグルム・オーケストラ(古楽器使用)

ポスト・バロック時代の大天才の、ソナタではなく協奏曲をあれこれ楽しめるこの喜び!しかも独奏は「ゼフィーロ」創設者の、あの名手!

今度の新作はイタリア後期バロック−−シア初の常駐古楽器集団ブラトゥム・インテグルムも、ずいぶん多彩なプログラムに取り組むようになったな…と何気なく目を転じると、そこに現代屈指のバロック・オーボエ奏者アルフレード・ベルナルディーニの名が! ハーグ王立音楽院に学んだ多芸なる名手、日本語挨拶も流暢な奇人にして遺憾なき名人芸と音楽性の持ち主−−彼が同郷きっての名人を紹介するにあたり、単に自分の独奏だけにとどまらず、折々にロシアの気鋭奏者たちを独奏に立てて指揮にまわりながら、タルティーニやハッセあたりにも通じるような、バロック後期からロココ・ギャラント期にかけて特有のどこか儚げな美しさを多角的に描き出してみせてくれているのがまた頼もしい!

ブラッティの作品を扱ったアルバムそのものは結構あるのだが、大抵はトリオないし通奏低音つきソロ・ソナタか鍵盤ソナタ集など、ごく小編成の作品ばかり。そこへヴァイオリン協奏曲やチェロ協奏曲、ましてチェンバロ協奏曲まで聴けるとは嬉しい限り−−ブラトゥム・インテグルムのトップ奏者たちも、つい先頃カフェ・ツィマーマンの面子がそうだったように、どんどんソリストとして腕を磨きつつあるようだ。ヴィヴァルディやテレマンなどの協奏曲がお好みの方、タルティーニ〜ボッケリーニ初期あたりの前古典派/ロココ系サウンドがお好みのファンはもちろん、ぜひ広く聴かれてほしい新譜なのである。


CD/SACD:CM005-2005 CARO MITIS 国内盤 3,045円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

プラトゥム・インテグルム・オーケストラ (古楽器使用)
J=F.ルベル:組曲『四大元素』およびその他のバレエ音楽
【収録曲目】
ジャン=フェリ・ルベル(1666〜1747)
1. カプリース(器楽合奏のための)
2. サンフォニー(組曲)『四大元素』
3. バレエ『ブタール』より 「冗談」 (P.セルビンによるヴィオール版)
4. バレエ組曲『田園のお愉しみ』
5. 幻想(組)曲『舞曲さまざま』
6. バレエ組曲『幻想』

ご存知、あのとんでもない不協和音で始まる前衛バロック合奏曲『四大元素』はもちろんルベルの多彩な器楽書法を、ロシア気鋭の“彼ら”が色彩ゆたかに描きあげる!!
ロシアからやってきた同国初の常駐古楽器アンサンブル「プラトゥム・インテグルム」、これまでロシア古典派やテレマン、ロゼッティ、ヴェルフル…と、どちらかといえばドイツ寄りの音楽で手堅く攻めてきた彼らが、いきなりフランス・バロックの、それもラモーやルクレールといった手ぬるい曲目ではなく、かなり極左?なJ=F.ルベルのアルバムを発表――そう、かつてLP 時代にホグウッドがAAMと録音して初心なリスナーたちを驚かし、昨今ではゲーベルやミンコフスキも新録音を発表してきた、あの不協和音だらけの冒頭部がひどく印象的な舞踏組曲『四大元素』の作者です。当該作品
はもちろんアルバム冒頭を飾っていますが、ただのこけおどしに終わっていないことは、後半に配された多種多様な作品群をみても明らか。ミンコフスキのERATO 盤にもあった『舞曲さまざま』のように、フランス・バロックの“いき”を理解していなければ形にすらならないような難曲だらけの組曲を、俊英ぞろいのプラトゥム・インテグルムが多種多様に描き分けてゆくさまはまさに圧巻、この古楽集団が、いつの間にやら適応力の高さまで身につけていたことを示してあまりある、鮮烈なコントラスト、エスプリ薫る名演ぶり! この調子で今度はオペラなどにも挑戦してほしいものですね。

鬼才チェロ奏者セルビンの手がけた編曲や、必要箇所でのオーケストラ再構成も鮮やかなもの。今回はプラトゥム・インテグルムのアルバムとしては初の各種リコーダーやヴィオラ・ダ・ガンバ、いくつかの曲ではトランペットも登場。秀逸録音でたのしめる音色の多彩さも注目ポイントです!


CD/SACD:CM005-2003 CARO MITIS 国内盤 3,045円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)


ボルトニャンスキーのロシア時代 〜古典派時代のロシア音楽4〜
ドミトリー・ボルトニャンスキー(1751〜1825)
1. 管楽合奏のための行進曲 ハ長調(1787)
2. 協奏交響曲 変ロ長調(1790) 〜ピアノ、任意参加のハープ、二部のヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロとファゴットのための
3. 鍵盤のためのソナタ 第3番 ヘ長調
4. 鍵盤のためのソナタ 第1番 変ロ長調
5. 鍵盤のためのソナタ 第2番 ハ長調
6. 五重奏曲 ハ長調(1787) 〜ピアノ、ハープ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェロのための
7. チェンバロ協奏曲断章 ニ長調 (管弦楽パート復元:パヴェル・セルビン)
プラトゥム・インテグルム・オーケストラ(古楽器使用)

全編、古楽器初録音!西欧文化に染まりきっていたエカチェリーナ女帝時代のロシアを髣髴させる意外な編成の曲も含む、ボルトニャンスキー傑作集

昨年初夏に日本リリースされ、イタリア最先端の古典派流ギャラント様式を意外なまでに身につけたボルトニャンスキー像を打ち出して話題を呼んだ「ボルトニャンスキー
のイタリア時代」(CM004-2003)の続編ともいうべきアルバム。

イタリア生活を終えて1779年(モーツァルトのパリ旅行の頃だ)ロシアに帰国して以降、ロシア皇太子の小宮廷に仕えていた頃の作品群。書かれたのは1790年前後だがヴィオラ・ダ・ガンバやチェンバロが大活躍しているあたりで“辺境”らしさをかもし出しているこれらの作 品、帝政時代の代表的傑作・とばかりロシアではモノラル時代から録音があったりするのだが、もちろんピリオド楽器ではこれが初録音。意義深いアルバムなのだ。

ハープの音色がフォルテピアノと微妙な協奏を繰り広げ、ヴィオラの代わりに置かれたヴィオラ・ダ・ガンバが独特の音色でチェロと張り合う「五重奏曲」や、ファゴットが
さらに面白みを添えるスピーディでスリリングな「協奏交響曲」など、音楽構造は結構素直なのだが、なぜか何度聴いても飽きない面白みが詰まっている――現代楽器
では空疎になってしまうところも、古楽器なら細かな機微まで見事に再現できるためだろうか?突如転調するあたりの色彩感の変化など秀逸きわまりない。フォルテピアノのナイーヴさがたまらない三つのソナタも、モーツァルトに比肩しうる情感が感じられるはず。ロココ風と侮らず、ピリオド楽器の名手たちが隅々まで全く手を抜かず仕上げた成果を、じっくり味わいたいものだ。


CD/SACD:CM005-2004 CARO MITIS 国内盤 3,045円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

独Toccata誌「今月の古楽盤」受賞
オリガ・マルティノヴァ(チェンバロ)使用楽器:N&F.ブランシェ1730年製の二段鍵盤を
   モデルとするファン・ナーゲル工房作(1985年製) J.C,バッハ:鍵盤のためのソナタ集 作品5&17より
ヨーハン・クリスティアン・バッハ (=ジョン・クリスティアン・バック) (1735〜81)
1. ソナタ ト長調 作品5-3
2. ソナタ 変ロ長調 作品5-1
3. ソナタ 変ホ長調 作品5-4
4. ソナタ ト長調 作品17-4
5. ソナタ ハ短調 作品17-2
6. ソナタ イ長調 作品17-5

父よりも断然、モーツァルトの方が関係の深い「ロンドンのバッハ」の、軽快かつ優美な音楽世界チェンバロとは思えぬ豊かな表現は、まさに圧巻 !

齢50歳の大バッハから生まれた末子クリスティアン・バッハは、飛ぶ鳥を落とす勢いでヨーロッパ随一の人気を獲得していった流行作家。モーツァルトも幼い頃から彼の作品をせっせと模倣・編曲、この先達が亡くなった時には「ヨーロッパ全音楽界の大きな痛手」と嘆いた…といった話は皆様もよくご存知のとおり。
  CPOが精力的に録音を進めてくれたおかげで、今ではロンドンの「バッハ=アーベル演奏会」で披露された素晴らしい管弦楽曲の大半は秀逸な演奏で聴けるようになっているが、独奏曲関係は意外と手に入りにくい。昨年のアンソロジー盤(CM007-2004)でも縦横無尽の演奏能力を披露してくれたロシア期待の実力派チェンバリストによるこのアルバムは、独奏ソナタ集として重要な二つの曲集から的確に6曲を選んでおり、演奏内容の確かさとあいまってまさに待望の一作と呼びうる仕上がりを誇っている。

フォルテピアノが普及しはじめる頃の作とはいえ、当時はまだまだチェンバロ全盛。この不便な楽器の機構をフルに生かしつくして縦横無尽の表現が追究されていた頃だけに、どの曲もチェンバロで聴くとフォルテピアノで聴く場合よりずっと雄弁に感じられる(デュフリやバルバストルのかなり派手な“晩期クラヴサン音楽”に通じるものが)!


ガルッピやチマローザの愛すべきソナタをご存知の方々は勿論、モーツァルト風の音楽がチェンバロにも見事にマッチする面白みは全ての音楽ファンにお薦め!


CD/SACD:CM010-2004 CARO MITIS 国内盤 3,045円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

ブリテン:オーボエのためのオリジナル作品&編曲集 / ベンジャミン・ブリテン (1913〜76)

1.無伴奏オーボエのための六つの変容 作品49(1951)〜オヴィディウスの『転身物語』による
2. オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための幻想四重奏曲 作品2 (1932)
3. 昆虫の小品(インセクト・ピーシズ) (1935)〜オーボエとピアノのための
  (レオニード・ホフマン編曲による弦楽合奏伴奏版)
4. うつろいやすき変奏曲 (1936)〜オーボエとピアノのための(=世俗変奏曲) (ヴィクトール・コゾドフとアレクセイ・ウトキンの編曲による弦楽合奏伴奏版)

アレクセイ・ウトキン(オーボエ) / エルミタージュ室内管弦楽団

ショスタコーヴィチに続いて、今度はブリテン?
ウトキン芸術に打ちのめされる無伴奏作品などのオリジナル曲に、またもや秀逸な編曲版が絡む!

バッハやモーツァルトの編曲は当たり前…とばかり、昨今は近代作品までオーボエと弦楽合奏というバロック的な編成に編曲し、その仕上がりが驚くほど自然で素晴らしい…というロシアの異才オーボエ奏者アレクセイ・ウトキン。彼が新たに挑んだのは「お国芸」でも「○○周年」でもない、英国20世紀の代表的巨匠。先だってのショスタコーヴィチはまだ祖国の作曲家ということで理解もできたが…と半信半疑で聴いてみれば、冒頭の無伴奏オリジナル作品でのあまりのウマさに文句も出なくなること請け合い!の異色名盤なのであ る。とはいえショスタコーヴィチ盤(CM008-2004)との決定的な違いは、ブリテンがオリジナルのオーボエ作品をアルバム1枚分くらい書いている点。名手たちの
競合盤もあるにはあるが、このウトキン盤はそれらの向こうを張って何ら遜色ない――このロシア人名手の鮮やかすぎる吹き口をこれまでご存知の方なら容易に想像がつくだろう。傑作無伴奏曲集『六つの変容』では、うち震えるような玄妙な美音をたおやかに操って、たった1本の楽器で至福のひとときを演出してくれる。ピアノ伴奏部分を弦楽合奏に代えた「世俗的変奏曲」や「昆虫の小品」なども、原曲編成による競合盤群とはまったく違った「ひなびた」味わいが滲んで、これまた美しい!

ブリテンが、決して英国にのみ縛られない普遍的な美を知る芸術家だったことを強く印象づける秀演だ。


CD/SACD:CM003-2005 CARO MITIS 国内盤 3,045円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

蘭プレリュード・クラシカル・アワード受賞 / 独Toccata誌「今月の古楽盤」受賞
プラトゥム・インテグルム・オーケストラ(古楽器使用)

テレマンと長調〜組曲、協奏曲、ソナタ
ゲオルク・フィリップ・テレマン(1681〜1767)
1. 7声の序曲 変ロ長調 TWV55:B4 〜2本のオーボエ、ファゴット、弦楽合奏と通奏低音のための
2. 合奏協奏曲 ト長調 TWV52:G1 〜弦楽合奏と通奏低音のための
3. フルート協奏曲 ホ長調 TWV51:E4 〜フルート、弦楽合奏と通奏低音のための
4. ヴァイオリン協奏曲 ト長調 TWV51:G4 〜ヴァイオリン、弦楽合奏と通奏低音のための
5. 合奏協奏曲 ト長調 TWV53:G1 〜2本のフルート、ファゴット、弦楽合奏と通奏低音のための
6. 6声のソナタ ト短調 TWV44:g3 〜2挺のヴァイオリン、2挺のヴィオラ、チェロと通奏低音のための

「テレマンと短調」(CM004-2004)に続くプラトゥム・インテグルム各員の底力を知らしめる傑作盤!独・蘭ではすでに人気沸騰中!
  短調作品に焦点をあてつつ、めったに演奏されない弦楽ソナタのような初録音作品も盛り込んで古楽ファンの心をくすぐった前作「テレマンと短調」に続き、今度は長調作品をメインに据えつつ、前作にもましてさまざまな形式&多彩な編成のための曲を集めたプラトゥム・インテグルムのテレマン第二弾。当初はボルトニャンスキーやベレゾフスキーといった「ロシア18世紀もの」ばかりを取り上げていたロシア気鋭の古楽集団プラトゥム・インテグルムだが、西ヨーロッパをはじめとする世界の古楽団体もいちように取り上げるこうしたプログラムを聴いてみると、あらためて「同じ土俵」でも彼らがじゅうぶん世界的に通用する古楽アンサンブルであることが実感されるはず! コントラスト豊かなプログラムを的確な曲順で並べているあたりも好感が持てるが、何よりも、端正に仕上げられつつも意欲がほとばしる演奏の見事さに魅了されてしまう。ニュアンス豊かなトラヴェルソ、味わい豊かなバロック・ファゴット、直接音を大切にしたCARO MITISの秀逸録音に映えるガット弦のきれいな響き…プログラムをご覧いただければわかるように、テレマン芸術の多彩さを印象づけつつ、自分たちの適応力の豊かさをいかんなく発揮してみせたというわけだ。仄かな土臭さは、この作曲家が大きな影響を受けたポーランドのスラヴ民俗音楽の味わいも髣髴させる。演奏内容の確かさはヨーロッパでの受賞歴が証明するとおり!


CD/SACD:CM001-2004 CARO MITIS 国内盤 3,045円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

バッハ:オーボエのための作品全集3

ヨーハン・セバスティアン・バッハ(1685〜1750)

1. 序曲(管弦楽組曲)第4番ニ長調 BWV1069
2. オーボエ協奏曲ニ短調 BWV1059R
3. 序曲(管弦楽組曲)第2番ロ短調 BWV1067〜オーボエ独奏版(編曲:A.ウトキン)

アレクセイ・ウトキン(オーボエ) / エルミタージュ室内管弦楽団

フルート独奏で知られる名作〈管弦楽組曲 第2番〉をオーボエ独奏で軽々と吹いてしまう、この鮮やかさ!超絶名手ウトキンの第3弾、これはちょっと見逃せない!
  昨年のCARO MITIS第1回と第2回のご案内でシリーズ第1弾・第2弾をご紹介した、ロシアのスーパーオーボエプレイヤーA.ウトキンによるバッハ作品集の最終巻。協奏曲のネタは殆ど出尽くしたものの、管弦楽組曲第2番・第4番などを含む今回のアルバムの充実度は相当なものだ――管弦楽組曲「第2番」?! そう、フルート奏者たちの重要レパートリーである例の組曲のソロを、なんとオーボエで吹いてしまっているのだ!何をわざわざそこまで…と思われるでしょうが聴いてみてびっくり、美音の映える伸びやかなフレーズで刻々と変化する絶妙のニュアンス、急速なパッセージでも細かい音符ひとつひとつ疎かにせず機微あふれるプレイで吹きこなしてしまう――音楽的におそろしく充実した演奏に仕上がっているのだ。また9小節ばかりのチェンバロ協奏曲断片やカンタータBWV35などから復元されたBWV1059Rの協奏曲(古くはD・ボイドやH・ホリガーなども手がけ、チェンバロ版よりもオーボエ版として親しまれている作品。昨今もM.ポンセールがACCENTで名演を聴かせてくれた曲だ)では、音符の詰まったエキサイティングな開始部以降、ひたすら精妙なウトキンの名技と弦楽セクションの好サポートのやりとりについつい引きずり込まれてしまう。
  エルミタージュ室内管の古楽奏法もどんどん堂に入ってきて、現代楽器ならではのしっとりと肌になじむような音の温もりそのまま、エッジの利いた21世紀古楽らしい修辞解釈を愉しませてくれる――室内管弦楽団も数あれど、こうした温もりと鋭さの不思議な同居が味わえる団体には滅多に出会えるものでもない(“古雅に温かい”か“見事に鋭い”名演奏は多いけれど)。今回はさらに「管弦楽組曲第4番」でトランペット3とティンパニが加わり、金管セクションの呼吸もぴったり、オーケストラ全体に寄り添って美しい一体感で音楽が進んでゆく。シリーズ第1弾・第2弾を愉しんだ方はもちろん、ウトキンて誰?という方にまず聴いていただきたい入魂の一作!古楽器全盛の現代に独特の光彩を放つ名団体の傑作だ。


CD/SACD:CM001-2004 CARO MITIS 国内盤 3,045円 SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

バッハ:オーボエのための作品全集3 / ヨーハン・セバスティアン・バッハ(1685〜1750)

1. 序曲(管弦楽組曲)第4番ニ長調 BWV1069
2. オーボエ協奏曲ニ短調 BWV1059R
3. 序曲(管弦楽組曲)第2番ロ短調 BWV1067〜オーボエ独奏版(編曲:A.ウトキン)

アレクセイ・ウトキン(オーボエ) / エルミタージュ室内管弦楽団

フルート独奏で知られる名作〈管弦楽組曲 第2番〉をオーボエ独奏で軽々と吹いてしまう、この鮮やかさ!超絶名手ウトキンの第3弾、これはちょっと見逃せない!
  昨年のCARO MITIS第1回と第2回のご案内でシリーズ第1弾・第2弾をご紹介した、ロシアのスーパーオーボエプレイヤーA.ウトキンによるバッハ作品集の最終巻。協奏曲のネタは殆ど出尽くしたものの、管弦楽組曲第2番・第4番などを含む今回のアルバムの充実度は相当なものだ――管弦楽組曲「第2番」?! そう、フルート奏者たちの重要レパートリーである例の組曲のソロを、なんとオーボエで吹いてしまっているのだ!何をわざわざそこまで…と思われるでしょうが聴いてみてびっくり、美音の映える伸びやかなフレーズで刻々と変化する絶妙のニュアンス、急速なパッセージでも細かい音符ひとつひとつ疎かにせず機微あふれるプレイで吹きこなしてしまう――音楽的におそろしく充実した演奏に仕上がっているのだ。また9小節ばかりのチェンバロ協奏曲断片やカンタータBWV35などから復元されたBWV1059Rの協奏曲(古くはD・ボイドやH・ホリガーなども手がけ、チェンバロ版よりもオーボエ版として親しまれている作品。昨今もM.ポンセールがACCENTで名演を聴かせてくれた曲だ)では、音符の詰まったエキサイティングな開始部以降、ひたすら精妙なウトキンの名技と弦楽セクションの好サポートのやりとりについつい引きずり込まれてしまう。
  エルミタージュ室内管の古楽奏法もどんどん堂に入ってきて、現代楽器ならではのしっとりと肌になじむような音の温もりそのまま、エッジの利いた21世紀古楽らしい修辞解釈を愉しませてくれる――室内管弦楽団も数あれど、こうした温もりと鋭さの不思議な同居が味わえる団体には滅多に出会えるものでもない(“古雅に温かい”か“見事に鋭い”名演奏は多いけれど)。今回はさらに「管弦楽組曲第4番」でトランペット3とティンパニが加わり、金管セクションの呼吸もぴったり、オーケストラ全体に寄り添って美しい一体感で音楽が進んでゆく。シリーズ第1弾・第2弾を愉しんだ方はもちろん、ウトキンて誰?という方にまず聴いていただきたい入魂の一作!古楽器全盛の現代に独特の光彩を放つ名団体の傑作だ。


CD/SACD:CM011-2004 CARO MITIS 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

C.P.E.バッハ:オーボエのための作品集 / カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714〜88)

1. オーボエ協奏曲 変ホ長調 Wq.165
2. オーボエ協奏曲 ハ短調 Wq.22
3. オーボエと通奏低音のためのソナタト短調 Wq.135
4. トリオ・ソナタ ニ短調 (旧BWV1036)

アレクセイ・ウトキン(オーボエ)/ エルミタージュ室内管弦楽団 / マリナ・チェプリナ(フルート) アンナ・カリピェンコ(チェンバロ)他

父・大バッハのシリーズに続く、多彩な内容の好企画。
よどみない吹き口や絶妙のニュアンス付けそのまま、
儚さを漂わせ飛翔する名協奏曲2編とソナタ2曲を堪能!
  父J.S.バッハのオーボエ関係作品を(編曲含め)ひととおり愉しませてくれたA.ウトキンが続いてリリースしたのが、この次男バッハの作品集。しっかりした新譜はすぐ隠れファン層が盛り上げてくれるC.P.E.バッハもの、このアルバムもウトキンの鮮やかな吹奏が隅々まで冴え渡っており、単なるオーボエ協奏曲に終わらぬ多彩なプログラムとあいまって注目を集めそうだ。
  C.P.E.バッハのオーボエ協奏曲として知られる作品は2曲(変ホ長調Wq.165と変ロ長調Wq.166)あって、オーボエ協奏曲集となるとそれらがペアで収録されているものが多いのだが、何しろ他人の芝生が青く見えるウトキンだけに、ここでは変ロ長調作品のかわりに、後にフルート協奏曲に編みかえられたチェンバロ協奏曲Wq.22(短調作品!)を吹いている――とはいえ上記のとおり我々はC.P.E.バッハのオーボエ協奏曲の長調ものばかり聴いてきたわけで、この意外な音響によってアルバム構成が深みを増している上、この短調の協奏曲を知る人にはオーボエの響きで作品があらためて新鮮に感じられることだろう。フルート協奏曲はないがオーボエ協奏曲の多い父親・大バッハの作品に近いようにも感じられてくる――同じく短調のオーボエ・ソナタでもそうした深みが感じられることだろう。いっぽう定番である変ホ長調の協奏曲は、細やかな和声変化の中になんとなく儚い寂しさが漂うC.P.E.バッハ独特の味わいが良く現れていて、ウトキンの木目細やかに詰まった音色と自由自在なコントロールがこれまた作品によくマッチしてひたすらに美しい!
  3/3/2/1/1と小編成をとるエルミタージュ室内管は通奏低音にファゴット1を加えていて、これが上声のオーボエを受けて音楽全体に円みを添える感じ。うっすら輪郭をぼかしつつ構成を絶対に崩さない弦セクションの絶妙なアンサンブルが、これまた素晴らしくウマい。
  大バッハ作品と目されていたこともある(というか、作者がC.P.E.バッハと断定はされていない?)トリオ・ソナタでは、現代フルートのサウンドに往年の現代楽器バロック室内楽の趣きが思い出され、何となくほっと安らぐ感じ。控えめなチェンバロの響きとあわせ、アルバムに素敵な変化を添えているのだった。


CD/SACD:CM002-2005 国内盤 3,045円 CARO MITIS SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

ヴェルフル:交響曲2編、チェロ・ソナタ1編 / ヨーゼフ・ヴェルフル(1773〜1812)

1. 交響曲 ト短調 作品40(※世界初録音)
2. 交響曲 ハ長調 作品41(※世界初録音)
3. フォルテピアノとチェロのための二重奏曲 ニ短調 作品31

プラトゥム・インテグルム・オーケストラ(古楽器使用) /パヴェル・セルビン(バロック・チェロ) / オリガ・マルティノヴァ(フォルテピアノ)

晩期古典派の最高峰ともいうべき傑作群!玄妙に疾走する短調、風格満点の長調…2編の交響曲に逞しきチェロ・ソナタを加え、完璧な古楽器演奏で聴ける!
“ベートーヴェンのライヴァル”のひとりに数え上げられたりするヴィーン古典派のピアニスト=作曲家ヴェルフルをご存知だろうか――ハイドンの後につづく古典派最盛期(つまり、ベートーヴェンが登場する頃)のヴィーンで活躍し40歳を目前に早世した彼の作品は、これまでたまさかにピアノ・ソナタがまとめて録音されていた位だが、いかにもベートーヴェンやデュセックらと同時代らしい不思議な構成による“初期ロマン派的応用古典形式(?)”なものが目立つソナタの数々に何やら侮れないものを感じていた古典派ファンの方々にとって、彼の交響曲がついに(しかも長短調両方とも)聴ける!というのは大きな朗報だろう。またコンチェルト・ケルンの古典派交響曲ものに魅了されてきた古典派ピリオド楽器もののファンにも是非おすすめの傑作アルバムでもある――1803〜8年頃、つまりベートーヴェンが『英雄』から『田園』にかけての傑作群を書いていた頃の作である二つの交響曲はどちらもティンパニ入りの巨大編成。これまでのアルバムでは室内楽の延長めいた堅固な編成でまとまっていたロシアの精鋭古楽集団プラトゥム・インテグルムも、今回は鋭角的な金管、明快な打楽器まで動員し、抜けの良い大音響ですばらしく気持ちの良い古典派大建築を打ち立ててみせる。風格豊かですっきりまとまった長調ものだけでなく、玄妙な導入部をもつト短調(!)の交響曲もあるのは(1770年代ものとロマン派ものの間、1800年頃の短調交響曲の録音が少ないだけに)非常に嬉しいところ――作品自体もなかなかに奥深いからなおさらだ。
  チェロとピアノのための大二重奏曲は辛うじて若干の既出録音があるが、俊英マルティノヴァのフォルテピアノを得ての今回の録音は明らかに最高の出来――バロック・チェロのセルビンも絶妙のコントロールを利かせつつ、確固たるソナタながら先の読めないスリリングな展開をみせるこの隠れ傑作の魅力を十二分に引き出してくれている。(民俗的かつ古典的な(!)終楽章の美しいこと!)嬉しすぎるボーナス録音だ。


CD/SACD:CM001-2005 国内盤 3,045円 CARO MITIS SACD&CDハイブリッド盤(通常CDプレイヤーでの再生が可能です)

ロゼッティ――ボヘミア古典派の暴徒! 〜交響曲と協奏曲あれこれ / アントニオ・ロゼッティ(アントン・レスラー)(1750〜92)

1. 交響曲 ニ長調 Murray A21
2. ホルン協奏曲 ニ短調 Murray C38
3. ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Murray C-9(※世界初録音)
4. 交響曲 ト短調 Murray A-42

プラトゥム・インテグルム・オーケストラ(古楽器使用) / ドミトリー・シンコフスキー(バロック・ヴァイオリン) / ヘレン・マクドウゴル(ナチュラルホルン)

いきなり登場!のロゼッティ盤は、A.シュテックにもバボラークにも負けない充実内容!ホルンも弦も他の管も古楽器、ロゼッティ愛好家必聴の新作!
  どういうわけか、アルバムが出ると不思議とファンのつく古典派の鬼才ロゼッティ――コンチェルト・ケルンによる2枚の交響曲集やバボラーク独奏のホルン協奏曲集などヘヴィヒッターにくわえ、つい最近もA.シュテック(ムジカ・アンティクヮ・ケルンの独奏者)が現代ヴァイオリンを手にして素晴らしい交響曲&ヴァイオリン協奏曲集をCPOからリリースしたばかりだが、西欧陣には負ける気がしない、とばかり(?)耳目驚かすタイトルとともにCARO MITISの古楽集団プラトゥム・インテグルムが放ったこの新譜がまたすごい。プログラムも的確で、ロゼッティ初心者とロゼッティ中毒者をともに満足させてくれる内容(1曲の世界初録音を含む)だ。
  2曲収録されている交響曲はやはり長調のものと短調のものが一作ずつで、うちト短調の作品はロゼッティ好きなら必ずどこかで聴いているはずの有名作。「おくれてきたト短調」ともいうべき1780年代の作で、悲しみがひっそりと疾走する感じはモーツァルトの25番よりもハイドンの39番にやや近い秀逸作だ。長調の作品も既出録音はあるが、これが冒頭で勢いよく始まると否応なしにアルバム全体への期待感も高まるというもの。対する協奏曲はというと、1曲のヴァイオリン協奏曲が何と世界初録音! ロゼッティのヴァイオリン協奏曲じたいが珍しいのに、古楽器演奏で聴けるというのが嬉しいところ。もう1曲のホルン協奏曲の方はソロ冒頭が長調で始まる不思議な短調作品で、これも古くヘルマン・バウマンやマイクル・トンプソンなどが録音してきた(バボラーク盤には収録なし)――が、何より有難いのはナチュラルホルンで聴けるという点! なぜかデビュー盤からずっとプラトゥム・インテグルムで吹いている英国出身の大ヴェテラン奏者マクドウゴルが、ナチュラルホルンなくしては見えてこない旋律構造の妙味を隅々まで堪能させてくれる。
  よく見れば、ロゼッティの権威である指揮者メーズス氏が影でサポートしていたり、コンチェルト・ケルンのファゴット奏者アルペルトが楽器を貸していたり、とマニアも微笑む周到ぶり。演奏陣の磨き抜かれたアンサンブルもさることながら、レーベル側の気合も十分すぎるほど感じられる好アルバムだ。ロゼッティがなんとなく気になっていた方も含め、大きく紹介するに値する今回ご案内でも最強のアイテム!

 


レコード芸術』月評の優秀録音コーナーを総なめ!話題沸騰中、ロシア発の高音質レーベルCARO MITIS ご好評につき、第2回発売分を緊急手配!

ロシアから突如あらわれたSACDハイブリッド専門レーベルCARO-MITIS(カロ・ミティス)。
5月末の第1回発売直後に『オーディオアクセサリー』誌でご紹介をいただき、弊社の予想をはるかに上回る売れ行きを見せております。その後も弊社への問い合わせは今なお連綿と続き、先日発売の『レコード芸術』誌8月号では月評の「優秀録音」コーナーを総ナメにするなど、磨きぬかれた演奏内容&特徴ある高音質に理解をいただき、初回4タイトルは意外な快進撃を続けております。

そこで、当初は晩秋の発売予定でした第2回発売分を、急遽繰り上げてご案内させていただきます。前回は代表アンサンブルであるロシア初の古楽オーケストラ「プラトゥム・インテグルム」、およびオーボエの超絶的名手ウトキン率いるエルミタージュ室内管弦楽団の2団体のみのリリースでしたが、今回は雄弁なチェンバロ独奏あり、シュニトケのピアノ・ソナタ(ファツィオーリ・ピアノ使用)あり、ぐっと幅の広がったラインナップとなっております。それぞれ内容は第1級――刻々と変化しつつあるロシア音楽界の「いま」を、徹底的スロー路線で高水準を維持するCARO-MITISの良心的商品、ぜひご注目の程をお願い申し上げます。


CD/SACD:CM002-2003 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid 〜古典派時代のロシア音楽II〜 マクシム・ベレゾフスキーの世俗音楽

マクシム・ベレゾフスキー (1740年代前半〜77)
1. 序曲(シンフォニア)ハ長調(1770/73頃)
2. 歌劇「デモフォンテ」(1773)〜二つのアリア
3. 鍵盤のための三つのソナタ
4. 鍵盤とヴァイオリンのためのソナタ ハ長調(1772)
5. 弦楽合奏のための 「我を古き時代に括るなかれ」(1769以前)(弦楽四重奏曲からの編曲)

sacd dsd surroundテオドル・クレンツィス指揮 プラトゥム・インテグルム・オーケストラ(古楽器使用)
ガリーナ・クニシュ(ソプラノ)
オルガ・マルティノヴァ(チェンバロ/フォルテピアノ)

ロシアのペルゴレージ? ウクライナのモーツァルト?
不遇なる夭逝の天才作曲家がペンを走らせて残した、切なく軽やかに歌うアレグロ――珠玉の名作群をピリオド楽器で!
  もし、あなたが万一この“18世紀のベレゾフスキー”をご存知だったとしたら、それはヴェデルやボルトニャンスキーのそれに似た無伴奏合唱曲を書く宗教音楽作曲家としてではないか? だがこの夭逝の天才作曲家も“西欧かぶれ啓蒙主義ロシア”の子、やはりボルトニャンスキー同様イタリアに遊学し、最新の古典派様式で数々の世俗音楽を書き残していたのだった。その成果を見事に収めきったのがこのアルバムだ。
  ハイドンより少し後、ボッケリーニやパイジェッロとほぼ同じ頃にウクライナの小都市グルコフに生まれ、はじめキエフで歌手として頭角をあらわし、次いでペテルブルクの王室に出入りするイタリア人作曲家たちに学ぶ機会を得て急成長。その後ボローニャのマルティーニ神父に師事したのち、イタリア各地でオペラを上演して当たりを取っていった。
  モーツァルトの晩年の作品に諦念を読み取ろうとし、マティアス・モンの晴朗な作品にさえ死の影を感じずにはおれないロマンティストな18世紀音楽ファンは、憂鬱にさいなまれて若くして自殺まで追い込まれたベレゾフスキーの軽やかなアレグロの瑞々しい美しさに、きっと涙を流すはず――じっさい19世紀にはオペラの題材にも扱われたベレゾフスキー、そのロシア人ばなれした完璧なイタリア古典派様式の作品群は、早咲きのモーツァルトと言っても過言ではない切なさと美しさに隅々まで彩られた名作ばかりだ。
  演奏はもちろんロシアの超実力派ピリオド楽器集団プラトゥム・インテグルム。ボルトニャンスキー盤(CM004-2003)で聴かせた堅固な求心力と迸る活力そのままに、作品の持ち味を充分すぎるほど引き出してゆく。2曲のアリアではクニシュが絶妙のコントロールで技巧的なパッセージからカンティレーナまで思いのまま操り、オーケストラが丁々発止と答えるさまが快い!
  チマローザのそれを思わせる鍵盤ソナタやオブリガート・ヴァイオリンつきソナタでは、俊英マルティノヴァがシュタイン型のフォルテピアノを雄弁に鳴らして確固たる音作りを聴かせてくれる――繊細をきわめるそのタッチを聴くためだけにでも、このアルバムを手に取る価値があるというものだ。


 

 

CD/SACD:CM003-2003 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid バッハ:オーボエのための作品集II ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ (1685〜1750)
1. 序曲 ハ長調 (管弦楽組曲 第1番 BWV1066)
2. オーボエとオブリガート・チェンバロのためのソナタ ト短調 BWV1030b
3. ヴァイオリン、オーボエ、弦楽合奏と通奏低音のための協奏曲 ニ短調 (2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 の編曲)
〜ボーナス・トラック〜
4. チェンバロ独奏のための協奏曲 ヘ長調 (“イタリア協奏曲”BWV971)

sacd dsd surroundアレクセイ・ウトキン(オーボエ) エルミタージュ室内管弦楽団 ピョートル・ニキフォロフ(ヴァイオリン) アンナ・カリペンコ(チェンバロ)

第一作よりもはるかにスタイリッシュ! エッジの効いた古楽奏法と瑞々しく整った抑揚が美しい―― 超絶名手ウトキン率いる気鋭集団の、鮮やかなバッハ集第2弾!
  悠々闊達、思うがままの旋律線コントロールがひたすら美しいアレクセイ・ウトキンのオーボエを中心とするバッハ作品集、第2弾。
  アンサンブルの秀逸さとウトキンの技巧と(さらに秀逸なエンジニアリングと)で話題となった、オーボエ・ダモーレ協奏曲やヴァイオリンとの二重協奏曲などからなる第1集は奇をてらわないオーソドックスな演奏が切々と白熱してゆく“現代のカール・リヒター”風だったが、「管弦楽組曲 第1番」で始まる第2集はぐっと現代的な仕上がり。かなり顕著に古楽奏法をとりいれた解釈で、フレージングの修辞をよく考えぬいて説得力あふれるオーセンティックな音作りに仕上げてきている。現代楽器でありながらも――そう、直接音をきっちり拾いつつ温かみあるサウンドを体現するCARO-MITIS独特の“自然録音”を通じ、それが確かに現代楽器とわかりつつも――これほど瑞々しく、かつ自然に、バッハの綴った音楽の言葉を語れるアンサンブルにはなかなかお目にかかれないのでは?
  前作同様、ウトキンお得意の“いきなりオーボエ用に編曲された名曲”ももちろん収録。今回は「二つのヴァイオリンのための協奏曲」を狙い撃ち、弦vs管の音色の違いを生かして両ソロの絡みあう綾をきれいに解き明かしてみせている(中間楽章での、ヴァイオリンではなくオーボエで奏でられるカンティレーナの美しさ!)。また昨今オーボエで演奏したアルバムもちらほら見かける(一説によれば先にオーボエ版が書かれたという)BWV1030のフルート・ソナタでも、せつなげなカンタービレから音符が徐々に細かくなる所など、ウトキンのコントロールのうまさにただただ感嘆するしかない。
  さらに今回うれしいのは「イタリア協奏曲」全曲という長大なおまけが収録されている点だ。こちらは完全に原曲のまま、瑞々しい感性で綴られる“ロシアのチェンバリズム”をじっくり堪能できる。


CD/SACD:CM009-2004 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid シュニトケ:ピアノのためのソナタ全集 アルフレッド・シュニトケ (1934〜1998)
1. ピアノ・ソナタ 第1番(1988) 〜ヴラディーミル・フェルツマンに
2. ピアノ・ソナタ 第2番(1990) 〜イリーナ・シュニトケに
3. ピアノ・ソナタ 第3番(1992)
4. 即興演奏とフーガ(1965)
sacd dsd surroundイーゴリ・チェトゥーエフ (ピアノ)※使用楽器:ファツィオーリ

ウクライナの若き知性派、ファツィオーリでシュニトケを弾く!
しなやかな感性で細やかに描き出される、巨匠晩年の3大作。
  鮮烈なエンジニアリング含め、話題必至のシュニトケ新譜!
  ドイツ人ピアニストのレニャ・シルマーによるBerlin Classicsでの全集録音、Chandosのボリス・ベルマンによる味わい深い名演など、記憶に新しいところでもシュニトケのピアノ・ソナタの名盤は確かに存在している――しかしイーゴリ・チェツェフによるこのアルバム、それらを向こうに回して不足のない、鮮やかな仕上がりを誇っている。独特の軽く繊細な美音で昨今とみに認知度が上がりつつあるファツィオーリ・ピアノを使い、その柔軟なサウンドが、鋭敏な表情のなかに解きえぬ謎を潜ませたシュニトケの音楽に意外にもマッチすることを証明してみせたのだ。
  奏者チェトゥーエフはまだ20代の、ウクライナのセヴァストーポリ出身の若き俊英。1990年代にハリコフのクライニェフ青少年コンクールや、テル=アヴィヴのルービンスタイン・コンクールで重要な賞を獲得し、その後はまだ若いうちからスピヴャコフや、老境のスヴェトラーノフとも共演しているという。レパートリーはモーツァルト、シューベルトなど古典〜ロマン派からスクリャービン、ラヴェルなど近代ものまで幅広い。先日もロンドンのウィグモア・ホールでリサイタルを開き、作品構造を浮き彫りにする知的な演奏が批評家から高い評価を受けている。すでにNAXOSでプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタをA,ビエロフと録音しているが、ソロのデビュー・アルバムにシュニトケを選ぶあたり、そして見事に完成された解釈に仕上げてくるあたり、先々も楽しみな逸材といえるだろう。
  ここではバッハを思わせる若き日の「即興とフーガ」を最後に配しつつ、作曲家晩年の大作3編が、張り詰めた緊張感、明晰な構造感覚で描かれてゆく。無軌動的な、ぽつ・ぽつ、とたゆたうような単音メロディ部分での“細く深い”響きはもちろん、驚くべきは繊細なファツィオーリで、そのサウンドの持ち味そのままに、叩きつけるような重低音まで鮮やかに決めてみせる技量だ(コツーンと響く低音は実に印象的)。ファツィオーリの特性によくなじんで、どう打鍵すればどう鳴るかを知り尽くしているようだ。
  CARO-MITIS独特のDSD録音は、このピアノ独特の透明なペダル残響まで的確に拾いつつ、1音1音を大事に、どこまでも綺麗なピアノ音として収録している。現代音楽ファン、ピアノ音楽ファン、ロシア音楽ファンばかりかオーディオファンにも話題となりそうな新譜だ。


CD/SACD:CM007-2004 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid チェンバロへの翻訳という快楽 〜ラインケン、バッハ、ヴァイス、ジェミニアーニ…
ラメー・ロゴS.L.ヴァイス(1686〜1750)/マルティノヴァ編 1. リュートのための組曲
A.ラインケン(1623〜1722)/J.S.バッハ編 2. イ短調のトリオ・ソナタ(BWV965)
F.ジェミニアーニ(1687〜1762)3. 「クラヴサン小品集」(フランス風作品集)より

オルガ・マルティノヴァ(チェンバロ) ※使用楽器:W.ダウド(フレンチ・モデル)

意外にも? しっくりくるヴァイス編曲に目から鱗―― すんなり楽しめるチェンバロへの“名訳”の数々。チェンバロの弦や木の振動の伝わる自然録音も快い!
  ロシアの古楽シーンを牽引するチェンバリスト、オルガ・マルティノヴァによる、なにがしかの形で“翻訳”されたチェンバロ作品集。リュートのために書かれたヴァイスの作品を彼女がチェンバロに“翻訳”した組曲、17世紀の巨匠ラインケンのトリオを後代の大バッハがチェンバロ独奏に“翻訳”したBWV965、そしてイタリア人ヴァイオリニストのジェミニアーニ(1687〜1762)が、ロンドンの愛好家たちのために自身の作風を“仏訳”した「クラヴサン小品集」というラインナップだ。
  後者2編はそう知名度の低い作品ではないにせよ、ヴァイス作品の編曲はそうとう珍しいのでは――そしてこれが驚くほど自然! 考えてみれば17世紀にはフランスでもゴティエらの曲がチェンバロに編曲され、そこからダングルベールやシャンボニエールらが鍵盤独自の音楽をつくっていったわけだから、ある意味原点回帰である。元来ヴァイスは後期バロックならではの、非常に練れた作風の人。チェンバロに直されてみると、その雄弁さや緻密さが非常によく伝わってくる(ちなみにマルティノヴァはホプキンソン・スミスのリュートを聴いて古楽への道を決心したそうだから、ヴァイスを編曲して自分で弾きたいと思う流れも頷ける)。フランス流を標榜しつつイタリア的歌心に満ちたジェミニアーニ、前世紀の美学を十二分に咀嚼したバッハ編曲もともに聴き応え充分。
  使用楽器は現代屈指の製作者ダウドによる、一段鍵盤ながら力強い楽音がうつくしいフレンチ・モデル。反響音を抑えた直接音重視のエンジニアリング(ノエル・スピートやラファエル・プヤナの古い録音をぐぐっと自然に力強くした感じ?)によって、逞しい弦の鳴りぐあいを、弾き手の位置で聴くような近さで楽しめる――これがまた心地よく親密な気分をかもし出し、18世紀の家庭楽器チェンバロがごく身近に感じられるはず。楽器の本質に思いを馳せつつ長く愛聴したい一作だ。


CD/SACD:CM002-2004 国内盤 3,045円 Caro Mitis SACD-Hybrid 古典派時代のロシア音楽3〜ティーツ:交響曲・協奏曲・室内楽集/プラトゥム・インテグルムo.

ラメー・ロゴ