
CD:Alpha042 国内盤 2,940円 イタリア音楽の遺産 H.L.ハスラー (1564-1612):カンツォン
N.ストッガース (1560-1575に活躍) :ファンタジア
W.バード (1542頃-1623) :クーラント、女王のアルメイン、グラウンド
J.ブル (1563-1628) :ブルがおやすみなさいを言う
O.ギボンズ (1583-1625):ファンタジアII
J.パッへルベル (1686-1764) :ファンタジア、ト長調のトッ カータ
J.クリストフ・バッハ (1642-1703) : プラルデウム
C.リッター (1650-1725) :スウェーデン国王カール11世の死に寄せるアッレマンダ
J.S.バッハ (1685-1750) :ファンタジアBWV 912、変奏
つき アリアBWV 989、「おお神よ、汝、慈悲深き神よ」の旋律にもとづくパル
ティータ BWV 767
録音:2003年2月、パリ、ノートルダム・ド・ボン・スクール病院礼拝堂
グスタフ・レオンハルト(ドイツ式チェンバロ&クラヴィオルガン)
クラヴィオルガン:エルピディオ・グレゴリのイタリア式チェンバロなどを参考にマティアス・グリーヴィシュとフリートリヒ・リープが製作(2001)
ドイツ式チェンバロ:ゴットフリート・ジルバーマンの1735年頃のモデルにもとづきアンソニー・シディーが製作(1995)
★レオンハルトの飽くなき挑戦――幻の楽器を使った演奏
このアルバムでは大バッハが大いに尊敬していたドイツの鍵盤楽器奏者ジルバーマンによるドイツ式チェンバロも演奏されているのだが、ここでは今一方の使用楽器、クラヴィオルガンに注目したい。
クラヴィオルガンは、17〜18世紀にドイツを中心にごく一部で使われたという幻の楽器。独特の豊かな音響効果が得られるよう、クラヴィコードやスピネットにオルガンの発音機構を取りつけてある。この2003年春、この楽器を大々的にフューチャーしたアルバムがカメラータより国内盤で発売され、古楽ファンを中心に大きな話題を呼んだのは記憶に新しい。
★バッハ3曲をはじめ、演目は彼が得意とするものばかり
楽器のことで騒ぎ過ぎたが――肝心の演奏曲目は16世紀末から18世紀にかけてドイツやイギリスで作曲された、イタリアの鍵盤音楽に影響をうけた作品群(上記の日本盤仮タイトルは原文ライナー解説の題からとった)。古いハスラーのカンツォーネやギボンズのファンタジアなど深く深く音を探りゆくような作品、聴かせどころに満ちたブルやバードらのエリザベス朝小品群、パッへルベルやクリストフ・バッハ(BWV992のカプリッチョを捧げられた大バッハの義兄)といったバッハを準備した偉大な先達たちの豊かな音楽、そして大バッハの曲のうちでも、より古い時代からの影響がとくに色濃く出た3曲。確かに、レオンハルトはクープランなどのフランス音楽や、スカルラッティやラモーなど18世紀音楽でも独特の味わい深い演奏を聴かせてくれる……しかし実際のところ、彼の底知れない静謐な音楽性の真骨頂が最良のかたちで発揮されるのは、やはりこうした17世紀のイギリス・ドイツ系音楽ではないだろうか?
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