ラファエル・オレグ(vn)ヴァンサン・デュボワ(org)

バッハの愛した二つの楽器

〜ヴァイオリンとオルガン、翻案と編曲〜

Alpha126 国内盤 2008716日 発売予定 2,940

【収録曲目】

1. シンフォニアBWV29(カンタータ第29番より)編曲:マルセル・デュプレ(18761971)

2. ヴァイオリンとオブリガート鍵盤のためのソナタ ト長調 BWV1019a

3. 前奏曲ホ長調 〜無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番 BWV1006より

4. オルガン独奏のための協奏曲 ニ短調BWV596〜ヴィヴァルディの協奏曲op.3-11より編曲

5. 無伴奏vn.ソナタ第1番 ト短調 BWV1001

6. 前奏曲とフーガ ニ短調 BWV539

7. シンフォニアBWV146 (カンタータ 第146番より)

  編曲:マルセル・デュプレ(18861971)

 

古楽レーベルAlphaは一味違う――ひさびさのバッハものは、20世紀へのオマージュ?!

世紀末式フレンチ・オルガンの妙音、それと重なりあうノン・ヴィブラートめの弦音の清らかさ

 名手オレグの面目躍如、バッハ語法の“秘法”をあざやかにあぶり出す充実企画!

 

意外なことに、考えてみれば実に2年ぶりとなるAlphaからのバッハ器楽盤。しかして、これが例によって「さすがAlpha!」と唸る入念企画なのは頼もしい限りでございまして。しかも演奏内容がとんでもなく素晴しい――演奏が良いとここまで企画が冴えるものか、と正直驚いております。

目のさめるような美しさのヴァイオリンと清らか&アクセントの効いたオルガンで綴るこのアルバムは、オルガン音楽家でもあった大学者シュヴァイツァー(ノーベル平和賞)が若い頃に言い放った「バッハの音楽は、基本的にすべてヴァイオリンかオルガンのための書き方になっている」という大胆な言明が出発点にあります。何しろこれら二つの楽器、バッハ自身がすばらしい弾き手であったことでも有名――そこで彼がヴァイオリン曲をオルガンに編曲したものや、いかにもオルガンらしい壮大なフーガ書法が展開する無伴奏ヴァイオリン作品をとりあげ、両楽器を交互に、時には二つ一緒に奏でていくと、バッハ語法にひそむヴァイオリン的orオルガン的なものが鮮やかに浮かび上がる…という仕組みでして。

そして本盤、実はヴィエルの『平均律』同様、またしても古楽器演奏ではありません――どうやらテーマは「20世紀初頭のセンスで」ということらしく、冒頭と末尾を名匠デュプレ(18861971)のオルガン独奏編曲で飾り、すべてをシンフォニック式オルガンと現代ヴァイオリンで(レーベル主宰者J=P.コンベ氏いわく「ピッチ440のバッハなんだ」)弾いています。そしてヴァイオリンはなんと名匠ラファエル・オレグ! そういえば近代もので目ざましい名演を続けてきた彼、バッハ録音はこれが初めてですが、おそろしく堂に入ったノン・ヴィブラートめの弾き方はじつに精妙、言葉を失うほど美しく。対するオルガンはたった2年でアンジェ音楽院を卒業、その後もO.ラトリとM.ブヴァールという二大巨匠に師事した天才児V.デュボワ――若手とは思えない圧巻の説得力で(とくにレジスター選択のナチュラルさは圧巻!)オレグとまったく対等に渡りあう頼もしさ!企画の趣旨など考えずとも、魅了されること必至の1枚です。