エリック・ル・サージュ(ピアノ)

シューマン ピアノ曲・室内楽作品集 Vol.4

交響的練習曲op.13・フモレスケop.20


 

Alpha124 国内盤 2CD 4,515

ローベルト・シューマン(181056

1. フモレスケ 作品20

2. ピアノ・ソナタ 第1番 作品11

3. 色とりどりの小品 作品99

4. 交響的練習曲 作品13

 

いちいち話題の大好評全集、なんといきなり第4弾が緊急リリース!

 CD2枚に、重要曲目を四つも収録――まさに大盤振る舞いの充実内容、ごくサラリと、緻密さとスケール感に貫かれた世界をつくりあげてしまうル・サージュに脱帽!!

 

 このAlphaレーベル新路線の超人気企画、昨年6月頃に第1弾(Alpha098)がリリースされてから第2弾までかなり間があったので「けっこうじっくり展開?」と思いきや、2008年に入ってから立て続けに第2弾(Alpha110グランド・ソナタop.14、幻想曲op.17)・第3弾(Alpha121・シリーズ初の室内楽集)が続々登場し、半年以内に第4弾までリリースされてしまうという快進撃ぶり!

 

3弾の室内楽作品集もそろそろ各店さまの棚を賑わしはじめようという絶好のタイミングで出てきた第4弾は、これまた2枚組ながら『交響的練習曲』と『ソナタ1番』というふたつの大作を収めているうえ、初期と後期の隠れ名曲たる「フモレスケ」と「色とりどりの小品」まで収録――どの演目も競合盤には事欠かない傑作ばかりですが、「知」と「情」をサーカスみたいにスリリングなバランス感覚で使い分けるル・サージュのピアニズムにかかるや、既存の名盤の数々をさらりと凌駕しかねない――いや、棚に収まっている過去の名盤群と聴き比べて「いやいやこっちの方が...」と比較したくなること必至!の、ちょっと類をみない求心力ある解釈がイチイチ小憎らしいです。

 

どの曲も「誰に似ている」とか一言でわかりやすく表現できないんですが、軽妙そうでよく考え抜かれた、あるいは深く歌ったかと思うとさらりとかわす、とらえどころのないピアニズムに、聴き手の集中力をぐいっと引っぱり続ける“魔法のようなもの”が潜んでいる感じでございます。だてに2枚組じゃない、というか、別々のアルバムで出しても十分成立するような企画が2枚収まっているわけですから、むしろこれはお得もいいところ(それは第3弾の室内楽曲集(2枚組み)にしてもそうなんですが)。

 

「フモレスケ」の怪しい魅力、「色とりどりの」の弾き分けかたとドラマづくりもさることながら、さらり気負わずスケール感と細やかさを同時に体現してしまうソナタ、緻密さの上に圧倒的な構築感で迫る『交響的練習曲』の音響世界にはもう、言葉もありません――全く、イチイチ目の離せない全集です!